「老後のために何から準備した方が良いの?③」
2023年07月24日
今回も老後のための準備についてお話しします。 自分が亡くなった後、財産を引き継いでほしい方はいますか? これは多くの人にとって重要な問題です。 まず遺言を作っていない場合、法律で決められた方(法定相続人と言います)が相続をします。 しかし誰が相続人になるかは、家族構成によって異なりますし、また離婚、再婚などで変化が起きます。 例えばAさんという方がBさんと結婚し、子Cさんが生まれました。 その後、Aさんが離婚し、Dさんと再婚したのち、子Eさんが生まれたという場合、Aさんが亡くなると法定相続人はCさん、Dさん、Eさんとなります。 またお子さんがいらっしゃらない高
「老後のために何から準備した方が良いの?②」
2023年07月20日
前回に引き続き、老後のための準備についておすすめの方法をお話しします。 安心した老後のために、ご自身の生活にどれくらいお金がかかるのか、またご自身にはどれくらいの財産があるのか、どれくらいの収入が見込めるのかを把握することが、将来的な生活をイメージする上で非常に重要です。 預金、定期預金、生命保険の満期金、自宅などの不動産、株式や投資信託などご自身の財産を整理することから始める必要があります。 まずはこれらの財産について箇条書きにすることから始めましょう。 普段使っている口座の残高はわかっていても、定期預金や生命保険の満期など、すべての財産を把握することは簡単
「老後のために何から準備した方が良いの?①」
2023年07月14日
「穏やかで安心できる老後を過ごしたい。」とお考えの方も多いと思います。 では「安心できる老後」、「穏やかな老後」とは、具体的にどういう状況でしょうか? 「安心」、「穏やか」は抽象的な言葉なので、なんとなく希望はあるけれど、具体的なイメージをしたことがないために、漠然とした不安感を持っている方が多いように思います。 まずは自分がどんな生活をしたいのか? 認知症や思うように体が動かなくなっても、どんな状態であれば安心して生活できると思うか? 自分が「安心」や「穏やか」と感じるのは具体的にどういう状態なのか具体的に考えてみましょう。 例えば、判断能力や
「相続のことを弁護士に相談する理由はなに??」
2023年07月07日
最近は、インターネットを利用して相続対策の情報を収集することができます。また多くの相続対策の本も出版されています。 これらを活用することで、自分でも相続対策ができると考えられる方も多くいらっしゃいます。またトラブルになっていないのに弁護士に相談する必要もないのではないか、と考える方も多いのではないでしょうか? では、相続のことを弁護士に相談する理由は何でしょうか?? 先ほど挙げたインターネットや書籍からの情報は有益なものも多くあります。 ただ多くの方向けに書かれている関係上、どうしても一般的なお話になってしまうという現状があります。また、インターネット上の情報については、まだ
「自分に何かあった時に、家族や周りの人に迷惑をかけたくない」
2023年07月03日
このように心配される方も多くいらっしゃいます。 では、人が亡くなった場合には家族(相続人)や周りの方はどのようなことを行う必要があるのでしょうか?? まず、人が亡くなると、関係各所への届出を行う必要があります。 また相続人が銀行の手続きをする場合には、生まれてから亡くなるまでの戸籍を揃えて窓口で手続きをする必要があります。 また不動産をお持ちの場合には、相続登記をする必要があります。 そして、遺産の総額によっては、相続税の申告や支払いなどの対応をしなければならない場合もあります。特に相続税は期限があるので、迅速に必要な書類を揃えたり、税理士の先生に相談するなどして対応をする必
「病気やけがで銀行に行けなくなってしまった場合、どうすればいいの??」
2023年06月30日
ご相談を受けている中で多いのが、病気やケガが原因で銀行に行けなくなってしまった、あるいは認知症が進んでしまった方がATMを操作できなくなってしまった、どうすればいい?というご相談です。 お金をおろせなくなってしまうと、入院費用や介護施設の入居費用、それだけではなく日々の生活費をどうするのかということも問題になってきてしまいます。 このような場合、同居の家族がご本人の希望に基づいて対応することが多いと思われます。 ただ配偶者も体調を崩したり、入院をしてしまったりして対応できなくなることも考えられます。 また女性の方が男性よりも平均寿命が長いことも相まって、独居にな
「老後・セカンドライフに備えて、何をしておけばよいの??」
2023年06月28日
超高齢社会を迎え、平均寿命が延びている中、「老後」や「セカンドライフ」、そして「相続」への対策が話題になることも多いですね。 このような備えが必要といわれても、どこか先のことと感じているかもしれません。 ただ次の1つでも当てはまるのであれば、今から備えを始めることをお勧めします。 さっそくチェックしてみましょう。 ① 将来に漠然とした不安がある 「なんとなく老後が心配・・・」 「自分や配偶者が認知症になったらどうしよう?」 など少しでも不安があるのであれば、対策を考える必要があります。 例えば、老後の不安とは何なのかを明確にすることで、対策が取りやすく
「遺産分割調停ってお金がかかるんじゃないの??」
2023年06月23日
遺産分割の話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申立て、そこで解決を図ることが考えられます。 では、この遺産分割調停にはどれくらい費用がかかるのでしょうか? 結論から言えば、調停の申立て自体の費用は数千円、申立に必要な添付書類を集めるのも数万円で済むと考えられます。 まず調停は家庭裁判所に申立てを行いますが、その際には印紙1200円と裁判所から発送する郵便に使う郵便切手代を予め納める必要があります。これは相続人の数によって異なりますが相続人の数が少なければ数千円で収まります。 また必要資料として、少なくとも被相続人が生まれ
「遺産分割の話し合いの前に、預金を下ろしてもらうのはあり?」
2023年06月21日
ある方が亡くなると、遺言がない場合には遺産分割の話し合いを行う必要があります。 その話し合いが終わる前に、全員で預金だけ先に下ろしてしまうというケースも考えられますが、何か問題はないのでしょうか? 例えば次のようなケースです。 Aさんが遺言を残さずに亡くなりました。 Aさんの法定相続にはお子さんのB、C、Dさんのみで、AさんとBさんは同居しており、C、Dさんは遠隔地に住んでいました。 現時点では遺産分割協議は全く進んでいません。 このようなケースでAさんの預貯金を下ろすために、Bさんが銀行にAさんが亡くなったことを連絡し、相続手続の書類を準備しました。 そして自分が「代表相続
「『二次相続』ってなに? 何か特別な対策が必要なの??」
2023年06月12日
相続問題について検討する中で、「二次相続」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?? 二次相続は法律用語ではなく、正確な定義というのはありません。 一般的な使われ方としては、両親の一人が亡くなった時のことを一次相続、残された配偶者が亡くなった時のことを二次相続とされています。 例えば、AさんBさんという夫婦がいたとします。 A・Bさんの間には子ども・CさんDさんがいました。 Aさんが亡くなった時にはBさんが全て相続をすることにしました(一次相続)。その後、Bさんが亡くなったので、Cさん、Dさんが遺産分割協議を行うことになりました(二次相続)。
「遺産分割でトラブルになるのは『お金持ち』だけなんじゃないの?」
2023年06月07日
ご相談を受けていると、「うちは財産はないから」として、トラブルが起きる可能性は低いと話される方が一定数いらっしゃいます。 遺産を巡ってトラブルが起きるのは、お金持ちだけと誤解をされている方も多くいらっしゃいますが、実際には誰にでも起こる可能性があります。 最高裁判所が公表している司法統計 家事令和3年度における遺産分割事件のうち認容・調停成立件数を見てみると、成立した件数のうち約77パーセントが遺産総額5000万円以下となっています。 当然、遺産分割調停の申し立てをしなければ成立はしないので、遺産総額5000万円以下の場合でもトラブルになり、遺産
「認知症の人でも遺言を作成することはできるの??」
2023年06月02日
認知症と診断された方は、遺言の作成は可能なのでしょうか? まず遺言の作成には「遺言能力」が必要とされています。 簡単に言ってしまえば、ご本人が作成する遺言の内容自体を理解していること、遺言の結果として起こる事態を理解していることと考えられています。 この遺言能力ですが、遺言は15歳から作成することができるので、一般的な法律行為の時に要求される能力とは異なる、という見解もあります。 ただ法律上は明確な定義はなされていません。 次に、認知症を患ったからといって、上記能力が全て失われるというわけではありません。 そのため認知症になったからといって、遺言を全く作成できない、ということ