「相続トラブルを子ども世代に残したくない・・・①」
2025年05月01日
はじめに ご自身が相続トラブルに巻き込まれるのは避けたい、と思うのはもちろん、それを「子どもの世代に残したくない」と考えられる方も多くいらっしゃいます。 今回は相続トラブルが子どもの世代に残ってしまう場合と、それへの対応についてお話します。 遺産分割が終わっていない場合 まず問題となりやすいのが、自分の親の遺産分割が終わっていないというケースです。例えば次のようなケースを見てみます ・被相続人 Aさん / 配偶者はすでに他界 ・法定相続人はいずれもAさんの子: Bさん Cさん Dさん ・Aさんの遺産分割はまだ終わっていない 遺産分割協議がこじれてしまい、何年も経ってしまった間にBさんが亡くな...
当事務所で新しく追加した相続手続サポートメニューを紹介します
2025年04月01日
当事務所は相続案件について注力をしております。その一環として、ご相談者のニーズに応えるべく弁護士によるサポートメニューを追加しました。 今回は、新しく追加したサポートについてご説明します。 遺言無効確認調査・請求サポート 亡くなった方が遺言を残していた場合、それがご本人の意思の下に作成されたのか疑義が残る場合があります。そのような場合に、ご本人の医療記録などを取り寄せ、遺言がご本人の意思の下に作成されたのかについて調査を行います。 調査の結果、遺言が無効である可能性がある場合には、遺言無効確認請求などのサポートを行います(この場合、手数料を着手金に充当いたします)。 使途不明金調査サポート 亡...
「この遺言書を本人が作成できたとは思えない・・・③」
2024年02月18日
遺言者の能力の観点から遺言の有効性のお話をしてきました。 今回は、遺言の有効性を担保するためにできることについて、一例をお話をします。 ご高齢の方が遺言書を作成していた場合、遺言者本人の能力について争いになる場合があることはお話しました。 このようなトラブルを防ぐため、診断書を取っておくことが考えられます。具体的には認知症の有無、検査結果、認知症にり患している場合にはその程度などを記載した診断書を作成してもらうことが考えられます。 法定後見制度を利用するために家庭裁判所に提出する診断書には、上記のような項目があります。こちらを利用することも有効です。 「こんな内容の遺言を残す
「この遺言書を本人が作成できたとは思えない・・・②」
2024年02月13日
前回に引き続き、遺言の「有効性」についてお話をします。 今回はよくご相談をいただくケースについて、いくつかお話します。 ご高齢になってから、相続のことを考えて遺言を作成される方が多いかと考えます。 この遺言作成時に、遺言者が「認知症」を患っていた場合でも遺言は有効なのでしょうか。 大事になってくるのは、その当時、遺言者の患っていた認知症の進行度合いがどの程度のもので、それが遺言者の意思・判断にどのような影響を与えていたのかという点です。 そのため「当時、認知症だったから遺言は全部無効だ」というような単純化はできないと考えられます。
「この遺言書を本人が作成できたとは思えない・・・①」
2024年02月06日
被相続人(亡くなった方)が遺言を作成していた場合、この遺言について、「亡くなった本人が作ったものではないのでは?」、「本人はこの当時認知症だったから、到底作ることができたとは思えない」というように疑いがもたれることがあります。 今回は遺言の「有効性」についてお話をします。 まず、遺言作成の必要な能力についてみていきます。 まず遺言は「15歳」に達したものは作成できるとされています(民法961条)。 一般的な契約は成人年齢に達しないとできないことから、ここが大きく異なります。 この遺言の作成に必要な能力とはなんでしょうか? 一般的には、遺言の内容を理解し
弁護士費用を一部改訂しました(2024.02.05)
当事務所の相続に関する費用表を一部改訂しました(詳細はこちら)。 新しく追加したサポートについてご説明します。 遺言無効確認調査・請求サポート 亡くなった方が遺言を残していた場合、それがご本人の意思の下に作成されたのか疑義が残る場合があります。そのような場合に、ご本人の医療記録などを取り寄せ、遺言がご本人の意思の下に作成されたのかについて調査を行います。 調査の結果、遺言が無効である可能性がある場合には、遺言無効確認請求などのサポートを行います(この場合、手数料を着手金に充当いたします) 使途不明金調査サポート 亡くなった方名義の預金から、生前に多額の預金が引き出さ
「ご利用者からのハラスメントにはどう対応すればよい?②」
2024年02月05日
今回も「ご利用者・ご家族からのハラスメント」とその対策についてお話します。 現場でカスタマーハラスメントと思われる事態が生じたらどうすればいいかについてお話をします。 まず現場の方は速やかに責任者・事業所に報告を行うことが大切です。 被害を受けた場合にはなかなか言い出せない、ということもあるかと思いますが、次の被害を防ぐためにも報告を行いましょう。 事業所としては、職員の方からの報告を受けやすい体制を整えておくことも大切です。 報告を受けたら、まずは丁寧な聴き取りを行いましょう。 その際にはいつ、どこで、誰が、どのようなことをしたのか(されたのか)といったことを
「ご利用者からのハラスメントにはどう対応すればよい?①」
2024年02月03日
訪問介護・看護を行っていく上で、ご利用者やそのご家族と良好な関係を築いていくことは大切です。 ただ、ご利用者やそのご家族側から過度な要求があったり、明らかに不当な対応があった場合には、業務をスムーズに行う上でも、毅然とした対応をする必要があります。 今回は、ご相談をいただくことが多い、「ご利用者・ご家族からのハラスメント」とその対策についてお話します。 ご利用者からのハラスメント、いわゆるカスタマーハラスメントについては厚生労働省のホームページでは次のように記載されています。 顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、 当該要求を実現するための
「遺言を作る必要性をいまいち感じないけれど・・・③」
2024年02月02日
今回もご相談者が遺言を作る必要性を感じないと考えられる事情と、それでも遺言を作った方がよい理由についての続きです。 3つ目は「遺言を作るほど財産がないから」というものです。 自分には財産がないから、遺言を作らなくても大丈夫、とおっしゃる方も多いです。 果たして、本当にそうでしょうか? 「財産」という言葉の印象が影響しているのかもしれませんが、ご自身名義の預貯金口座、自分の名義のご自宅、保有している株式など、これらは全て遺産分割の対象となります。 ここで話し合いで決着がつかない場合には、家庭裁判所で調停をする必要があります。 &nb
「遺言を作る必要性をいまいち感じないけれど・・・②」
2024年01月30日
今回もご相談者が遺言を作る必要性を感じないと考えられる事情と、それでも遺言を作った方がよい理由をお話します。 2つ目は「うちの家族の仲がいいから」というものです 遺言は相続トラブルが起きそうな家庭、すなわち家族の仲が悪い家庭にのみ必要という誤解に基づくものです。 この点について詳しくお話をします。 まず遺産分割を行うためには、相続人が誰か、相続の対象となる財産が何か(亡くなった方名義の財産が何か)について、相続人の方が把握していることが大前提です。 つまり亡くなられた方の財産が何かがわからなければ、その調査からはじめなくてはなりません。 ご家族
「遺言を作る必要性をいまいち感じないけれど・・・①」
2024年01月05日
このコラムでは遺言の必要性・有用性についてお話をしてきました。 ただ、遺言を作る必要がないと考える方も多いかもしれません。 お話をきいていくと、その考えの根本にはいくつかの勘違いもあるようです。 今回から、この点についてお話をします。 まず1つ目は「家族が少ないから」という理由です。 例えばご夫婦だけのご家庭の場合が考えられます。 多くの方は、「他方の配偶者のみが相続人になる」と考えがちです。 例えば夫が亡くなったら妻だけが相続人になる、という考えです。 しかし、実際には亡くなられた配偶者のご兄弟や姉妹も相続人になります。 そのため、亡くなった方の
「エンディングノートってなに??②」
2023年12月28日
前回に引き続き、エンディングノートについてのお話です。 では、エンディングノートはどのように作ればよいのでしょうか。 まず、形式などが決められているわけではありませんから、どのようなノートでも問題はありません。 無料で配布している自治体もありますから、それを利用するのもよいと思います。 書き始めるのはどこからでもよいと思います。 財産の整理、セカンドライフでどこで暮らしたいか、終末医療が必要になった場合の対応、ご家族への思い・・・などご自身が気になるところから書いていくのが良いかと思います。 (重要な情報を記載することになりますから、注意は必要です