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葬儀費用(通夜・告別式、火葬の費用など)は相続開始後に生じた債務であり、また一時的には喪主が負担することから、相続人全員の合意がなければ、当然に遺産から清算をすることは出来ません。その場合には民事訴訟などでその負担について解決することになります。
もっとも、相続人全員の合意が得られれば、葬儀費用を遺産から清算した上で、残りの遺産を分割するといったことも可能です。
民法上、同一の遺言証書で2名以上の者が遺言をすることはできないとされているので(民法975条)、原則として無効となってしまいます。
それにより、争いが生じてしまうことにもなりかねませんので、遺言はお一人ずつ作成してください。
遺言はその人が満15歳以上であれば、作成することができます(民法962条)。
そのため、ご本人が必要性を感じた時点が、遺言作成のタイミングだと思われます。
もっとも、注意しなくては行けないのは、遺言を作成する時点では、遺言能力が必要です(民法763条)。
そのため、例えば認知症になってしまった後に遺言を作成した場合、ご本人が無くなった後で、ご本人に遺言作成の時点で遺言能力があったかどうか、つまりその遺言の有効性が争われる可能性が出て来てしまいます。
ですので遺言は必要性を感じたら、健康なうちに、なるべく早く作成しておくことをお勧めします。
本人または任意後見人となる人は、任意後見監督人が選任される前であれば、公証人の認証を受けた書面により、任意後見契約を解除することができます(任意後見契約に関する法律9条1項参照)。
例えば、契約解除の意思表示がなされている書面について、公証人から認証を受け、それを相手に送達することで、解除をすることができます。
一方で、任意後見監督人が選任された後は、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て解除することが出来ます(同2項参照)。
セカンドライフを考えた時に、有料老人ホームに入るために不動産などの財産を整理される方は多いと思います。
このような場合、自宅の処分や有料老人ホームとの契約は大きなお金が動くこともあり、自分達だけでは不安という方もいらっしゃいます。
そのような場合に弁護士によるサポートが出来る場面もあります。例えば、弁護士が代理人として交渉や契約を行うことも考えられます。
また、財産管理契約や任意後見契約といった契約を利用することも考えられますので、一度ご相談ください。
成年後見制度を利用する場合、成年後見人に誰が選ばれるかは裁判所が決めることなので、申立てを行う人が希望する人が、必ず選任されるわけではありません。
見ず知らずの第三者が財産を管理することになることには抵抗があって、成年後見制度の利用を躊躇される方も実際にはいらっしゃいます。
ご本人がこれから財産管理を依頼したい人と思う人との間で、任意後見契約を結んでおくことで、基本的にはそのような事態を回避することができます。
そのような観点からも、任意後見契約について検討される必要もあると考えます。
保佐人の代理権は、申立権者からの申立てに基づき、特定の法律行為について付与されます。
この代理権は包括的に与えられるわけではなく、被保佐人の保護の必要性に応じて、個別具体的に定められます。
なお、代理権を付与する審判を行うには、被保佐人(本人)の同意が必要です。
まず成年後見人の財産管理が適正かどうかについては、後見人からの報告を求め、その内容を確認することなどにより、家庭裁判所による監督が行われます(民法863条参照)。
また、裁判所に対して成年後見監督人の選任を求め、成年後見監督人による成年後見人の後見事務の監督を求めることも考えられます。
他方で、お姉さんがお母さんの財産を横領しているなどといった、不正な行為をしていることが明白であれば、家庭裁判所に対して、成年後見人の解任を求め、新たに成年後見人を選任してもらうことを求めることも考えられます。
最高裁判所事務総局家庭局が公表している資料によれば、裁判所での審理期間は全体の約7割が2ヶ月以内に終わっています(最高裁判所HP 成年後見制度の概況 平成25年度参照)。
もし、その間に成年被後見人となる人の財産を管理する必要があるという場合には、後見開始の審判申し立ての際に、併せて「財産管理者」の選任の審判も申し立てることによって、財産の流出を防ぐことが考えられます
成年後見・保佐・補助については、「精神上の障害」を理由として、判断能力が不十分になってしまった人を対象と下制度です。
精神上の障害はなく、判断能力に問題がないのであれば、成年後見制度を利用しなくとも、財産管理契約を締結するなどして、第三者に財産管理等を委任することで、目的を達成することが出来ると思われます。