「遺言を作る必要性をいまいち感じないけれど・・・①」
2024年01月05日
このコラムでは遺言の必要性・有用性についてお話をしてきました。 ただ、遺言を作る必要がないと考える方も多いかもしれません。 お話をきいていくと、その考えの根本にはいくつかの勘違いもあるようです。 今回から、この点についてお話をします。 まず1つ目は「家族が少ないから」という理由です。 例えばご夫婦だけのご家庭の場合が考えられます。 多くの方は、「他方の配偶者のみが相続人になる」と考えがちです。 例えば夫が亡くなったら妻だけが相続人になる、という考えです。 しかし、実際には亡くなられた配偶者のご兄弟や姉妹も相続人になります。 そのため、亡くなった方の
「エンディングノートってなに??②」
2023年12月28日
前回に引き続き、エンディングノートについてのお話です。 では、エンディングノートはどのように作ればよいのでしょうか。 まず、形式などが決められているわけではありませんから、どのようなノートでも問題はありません。 無料で配布している自治体もありますから、それを利用するのもよいと思います。 書き始めるのはどこからでもよいと思います。 財産の整理、セカンドライフでどこで暮らしたいか、終末医療が必要になった場合の対応、ご家族への思い・・・などご自身が気になるところから書いていくのが良いかと思います。 (重要な情報を記載することになりますから、注意は必要です
「エンディングノートってなに??①」
2023年12月20日
相続問題に関心がある方は、エンディングノートという言葉を耳にする機会も増えたのではないでしょうか? 今回はこのエンディングノートについてお話します。 まずエンディングノートは法律上の概念ではないので、正確な定義があるわけではありません。 一般的には、ご自身の財産の一覧、大きな病気を患った時の治療方針(例えば延命治療を望むかどうか)、お葬式の方式、そして家族へのメッセージなどを書いておく方が多いと思われます。 このエンディングノートは、遺言や任意後見契約などの前段階として、ご自身の整理のために作成するという役割も担って
「介護をしたことは、相続の場面でどのように評価されるの?③」
2023年12月15日
前回に引き続き、被相続人を介護したことが相続の場面でどのように評価されるかについてのお話です。 介護をしたこと自体が相続の場面で評価されづらいということをお話ししましたが、どのような対策が可能でしょうか。 まず被相続人の方に判断能力がある場合には、相続時に介護について評価されるような「遺言」を作成しておいてもらうことが考えられます。 前回までのお話は、あくまで遺言が存在しなかった場合についてのことなので、遺言がある場合にはそれに沿って相続がなされます。 そのため、予め遺言を残しておいてもらうことにより、トラブルが起きることを回避することが可能となります。 また
「介護をしたことは、相続の場面でどのように評価されるの?②」
2023年12月14日
前回に引き続き、被相続人を介護したことが相続の場面でどのように評価されるかについてお話します。 被相続人の方が遺言を残していない場合、法定相続分に基づき遺産が分割されます。 これはあくまで原則なので、相続人同士で話し合いをして法定相続分と異なる割合での分割を行う場合もあります。例えば、相続人全員で、介護をした相続人の割合を高くするという合意をすることが考えられます。 他方で、そのような合意ができない場合、介護をしたことが「被相続人の療養看護」に当たるとして、寄与分(民法904条の2)に基づく法定相続分の修正を行うことが考えられます。 ちょっと専門的な用語が並んでしまいまし
「介護をしたことは、相続の場面でどのように評価されるの?①」
2023年12月13日
ご高齢のご家族を、ご自宅で介護されている方も多いのではないでしょうか。ただお子さんが複数いる場合、介護の負担が特定の親族に集中してしまう場合もあります。 このような場合、相続の場面でどのように評価されるのでしょうか。 まず「相続の場面で有利に評価してほしい」と思って、介護をされる方はほぼいないと思われます。それは親族だからというような善意の気持ちでされる方が大半だからだと思います。 ただ介護自体は大変であり、精神的に負担も大きいかと思います。場合によっては経済的な負担も生じます。 そのような負担をしているのに、いざ相続の場面になったら、何もしていない親族と平等
「お金の管理に不安がある場合はどうすれば・・・??③」
今回も、ご自身のお金の管理に不安がある場合についてお話をします。 身近な親族の方がいらっしゃらない場合、自分が亡くなったあとのことについてどうすればよいかと不安になる方もいらっしゃいます。 例えば、賃貸物件や施設の利用料金の支払、荷物の引き取り・処分など亡くなられたあとにも様々な手続きや支払いが必要になります。 周りの方に負担をかけたくないとお考えの場合には、死後事務委任契約を締結しておくことが考えられます。 例えば、自分が亡くなったあとの葬儀、荷物の処理、病院代などの支払いなどを委任する契約を結んでおくことで、亡くなったあとでも依頼を受けた方が
「お金の管理に不安がある場合はどうすれば・・・??②」
2023年12月12日
前回に引き続き、今後のお金の管理に不安がある場合についてお話します。 今の時点では認知症にもかかってないし、自分でもいろいろ判断はできる。でも将来的に判断能力が低下したときに備えておきたいという方もいらっしゃいます。 その場合、任意後見契約を締結し、いざというときに信頼できる人に財産の管理などができるようにお願いしておくことが考えられます。 この契約を結んでおくことで、ご親族や専門家など事前に財産の管理をお願いしたい方を指定しておくことができます。 法定後見制度との一番の違いは、「後見人を自分で選ぶことができる」という点です。 法定後見
「お金の管理に不安がある場合はどうすれば・・・??①」
2023年12月11日
お一人で生活をされているご高齢者が不安に思われるのが、お金の管理です。 今は一人で管理できているからよいけれども、例えば入院した場合どうしようとか、一人で銀行まで行けなくなった場合どうしよう、といったことで悩まれる方も多いです。 銀行に行く回数を減らすため、まとまった現金を引き出して自宅で保管される方もいらっしゃいますが、大金を自宅においておくこと自体、防犯上の不安もあります。 そのような場合に考えられられる手段の一つが、財産管理契約です。 ご自身の財産を管理できるだけの判断能力は十分あるけれど、年金を引き出すために銀行まで行くのが難しくなってきた場合など、
「後見人はどんなことをしてくれるの?③」
2023年12月06日
今回も成年後見人がどのようなことを行うのかについて、お話をします。 入院や施設入所などに限らず、日常的なお金の管理なども後見人の仕事です。 介護サービスや施設の利用費は引き落としで対応できることも多いですが、ご自宅や施設でのちょっとしたお買い物や理美容のために現金が必要になることもあります。 このような日常的な支出に備えて、ご本人やご親族、施設の方に毎月決まった金額の現金をお渡しすることも後見人の仕事です。 この金額は、それぞれの方のライフスタイルや施設で預かれる上限に合わせてご本人や周りの方と相談しながら決めています。 また、家具
「後見人はどんなことをしてくれるの?②」
2023年12月01日
今回も成年後見人がどのような業務を行うのかについて、具体例とともに見ていきます。 自宅で生活をされている場合、急な病気やけがが原因で入院をする場合があります。また入院後もすぐには自宅に戻れず、リハビリのための施設への入居や、老人ホームへの入居が必要になることがあります。 この病院への入院の際には、入院の契約や入院中に使う物品のレンタル・リースなどの契約など様々な手続きを行う必要があります。 これらの手続や雑貨の購入をご本人に代わって後見人がすることができます。 また退院後、ご自宅での生活が難しい場合にはリハビリのための病院・施設や、老人ホームへの
「後見人はどんなことをしてくれるの?①」
2023年11月24日
成年後見制度については、言葉は知っているけれども後見人が具体的に何をしてくれるのかについては知らない、という方が多い印象を受けます。 そこで今回から後見人はどのようなことをしてくれるのか、について具体例を交えてお話します。 ※成年後見(法定後見)の利用にあたってはご本人の判断能力の程度に応じて、補助・保佐・後見と分けられますが、後見人を前提にお話をします。 後見人が対応する仕事は多岐に渡りますが「日常的な介護サービスの利用に関する手続」については、後見人が日頃から対応する業務の一つです。 ご自宅で生活されている方の場合、食料品の買い出しや食事の準