「自分に何かあった時に、家族や周りの人に迷惑をかけたくない」
2023年07月03日
このように心配される方も多くいらっしゃいます。 では、人が亡くなった場合には家族(相続人)や周りの方はどのようなことを行う必要があるのでしょうか?? まず、人が亡くなると、関係各所への届出を行う必要があります。 また相続人が銀行の手続きをする場合には、生まれてから亡くなるまでの戸籍を揃えて窓口で手続きをする必要があります。 また不動産をお持ちの場合には、相続登記をする必要があります。 そして、遺産の総額によっては、相続税の申告や支払いなどの対応をしなければならない場合もあります。特に相続税は期限があるので、迅速に必要な書類を揃えたり、税理士の先生に相談するなどして対応をする必
「病気やけがで銀行に行けなくなってしまった場合、どうすればいいの??」
2023年06月30日
ご相談を受けている中で多いのが、病気やケガが原因で銀行に行けなくなってしまった、あるいは認知症が進んでしまった方がATMを操作できなくなってしまった、どうすればいい?というご相談です。 お金をおろせなくなってしまうと、入院費用や介護施設の入居費用、それだけではなく日々の生活費をどうするのかということも問題になってきてしまいます。 このような場合、同居の家族がご本人の希望に基づいて対応することが多いと思われます。 ただ配偶者も体調を崩したり、入院をしてしまったりして対応できなくなることも考えられます。 また女性の方が男性よりも平均寿命が長いことも相まって、独居にな
「老後・セカンドライフに備えて、何をしておけばよいの??」
2023年06月28日
超高齢社会を迎え、平均寿命が延びている中、「老後」や「セカンドライフ」、そして「相続」への対策が話題になることも多いですね。 このような備えが必要といわれても、どこか先のことと感じているかもしれません。 ただ次の1つでも当てはまるのであれば、今から備えを始めることをお勧めします。 さっそくチェックしてみましょう。 ① 将来に漠然とした不安がある 「なんとなく老後が心配・・・」 「自分や配偶者が認知症になったらどうしよう?」 など少しでも不安があるのであれば、対策を考える必要があります。 例えば、老後の不安とは何なのかを明確にすることで、対策が取りやすく
「遺産分割調停ってお金がかかるんじゃないの??」
2023年06月23日
遺産分割の話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申立て、そこで解決を図ることが考えられます。 では、この遺産分割調停にはどれくらい費用がかかるのでしょうか? 結論から言えば、調停の申立て自体の費用は数千円、申立に必要な添付書類を集めるのも数万円で済むと考えられます。 まず調停は家庭裁判所に申立てを行いますが、その際には印紙1200円と裁判所から発送する郵便に使う郵便切手代を予め納める必要があります。これは相続人の数によって異なりますが相続人の数が少なければ数千円で収まります。 また必要資料として、少なくとも被相続人が生まれ
「遺産分割の話し合いの前に、預金を下ろしてもらうのはあり?」
2023年06月21日
ある方が亡くなると、遺言がない場合には遺産分割の話し合いを行う必要があります。 その話し合いが終わる前に、全員で預金だけ先に下ろしてしまうというケースも考えられますが、何か問題はないのでしょうか? 例えば次のようなケースです。 Aさんが遺言を残さずに亡くなりました。 Aさんの法定相続にはお子さんのB、C、Dさんのみで、AさんとBさんは同居しており、C、Dさんは遠隔地に住んでいました。 現時点では遺産分割協議は全く進んでいません。 このようなケースでAさんの預貯金を下ろすために、Bさんが銀行にAさんが亡くなったことを連絡し、相続手続の書類を準備しました。 そして自分が「代表相続
「『二次相続』ってなに? 何か特別な対策が必要なの??」
2023年06月12日
相続問題について検討する中で、「二次相続」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?? 二次相続は法律用語ではなく、正確な定義というのはありません。 一般的な使われ方としては、両親の一人が亡くなった時のことを一次相続、残された配偶者が亡くなった時のことを二次相続とされています。 例えば、AさんBさんという夫婦がいたとします。 A・Bさんの間には子ども・CさんDさんがいました。 Aさんが亡くなった時にはBさんが全て相続をすることにしました(一次相続)。その後、Bさんが亡くなったので、Cさん、Dさんが遺産分割協議を行うことになりました(二次相続)。
「遺産分割でトラブルになるのは『お金持ち』だけなんじゃないの?」
2023年06月07日
ご相談を受けていると、「うちは財産はないから」として、トラブルが起きる可能性は低いと話される方が一定数いらっしゃいます。 遺産を巡ってトラブルが起きるのは、お金持ちだけと誤解をされている方も多くいらっしゃいますが、実際には誰にでも起こる可能性があります。 最高裁判所が公表している司法統計 家事令和3年度における遺産分割事件のうち認容・調停成立件数を見てみると、成立した件数のうち約77パーセントが遺産総額5000万円以下となっています。 当然、遺産分割調停の申し立てをしなければ成立はしないので、遺産総額5000万円以下の場合でもトラブルになり、遺産
「認知症の人でも遺言を作成することはできるの??」
2023年06月02日
認知症と診断された方は、遺言の作成は可能なのでしょうか? まず遺言の作成には「遺言能力」が必要とされています。 簡単に言ってしまえば、ご本人が作成する遺言の内容自体を理解していること、遺言の結果として起こる事態を理解していることと考えられています。 この遺言能力ですが、遺言は15歳から作成することができるので、一般的な法律行為の時に要求される能力とは異なる、という見解もあります。 ただ法律上は明確な定義はなされていません。 次に、認知症を患ったからといって、上記能力が全て失われるというわけではありません。 そのため認知症になったからといって、遺言を全く作成できない、ということ
「遺産分割協議は口約束でもよいの??」
遺言がない、遺言で遺産の具体的な分け方が書かれていない場合、相続人同士で遺産の分割について話し合いをする必要があります。 この話し合いの結果に基づいて遺産を分けることになりますが、これを書面に残しておく必要はあるのでしょうか? 次のような場合を考えます。 Aさんが亡くなり、その相続人は子どものBさん、Cさんです。 Aさんの遺産は自宅不動産と預貯金でした。 BさんとCさんはAさんの遺産をどう分けるかを話し合いました。 結果、Bさんが不動産と預貯金の一部を、Cさんが残りの全ての預貯金を受け取ることとなりました。 そしてBさんが手続を行うことになり、不動産の相続登記をし、預貯金を全て
「遺産分割調停はどのように進むの?③」
2023年05月31日
最後に今までお話ししてきたこと以外で、遺産分割調停でトラブルになりやすいことについて、いくつかお話しします。 ・使途不明金 例えば、被相続人Aさんの預貯金を子であるBさんが生前から管理していたとします。 Aさんが亡くなった後で、Aさんの生前に、預貯金から多額の引き出しがなされていることが分かりました。 この引き出しについて、BさんはAさんのために使ったと説明をしましたが、他の相続人はそれでは納得ができない、という場合、この「生前に引き出された預貯金」をどう処理するかという問題が起こります。 この点について、相続人全員で合意ができない場合には、別途民事裁判で決着をつける必要があります。 この
「遺産分割調停の手続はどのように進むの?②」
2023年05月30日
前回の続きです。 相続人の範囲・遺産の範囲・遺産の評価について確定した場合、遺産をどのように分けるかを話し合います。 遺言が存在しない場合には、法定相続分に基づいて遺産を分割をすることになります。 この時、「特別受益」や「寄与分」といった法定相続分を修正する要素が主張されることがあります。 例えば、相続人の一人が被相続人の生前に多額の贈与を受けている、あるいは相続人の一人が被相続人を経済的に支援していた、といったことで、法定相続分どおりに分割するのは不公平だという主張がなされることがあります。 こちらについては、主張をする人がそれを証明する資料などを出して立証する必要がありま
「遺産分割調停の手続はどのように進むの?①」
2023年05月29日
遺産分割の協議がまとまらない場合、家庭裁判所で調停で解決を求めることになります。 この遺産分割調停はどのように進むのでしょうか? 今回はこの遺産分割調停の手続がどのように進むのかについてお話しします(今回は遺言が存在しないことを前提しています)。 遺産分割調停では、まず「相続人の範囲」の確認が行われます。 これは法定相続人が誰か、という点について相続人全員が合意ができるかの確認が行われます。 法定相続人は被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍から確認ができますが、例えば被相続人が認知症だったのに養子縁組をしているなど、生前の身分関係が争われるということもあります。