後見制度について知りたい!
2020年04月20日
最近、このコラムでは、「財産を引き継ぐ」ということを中心にお話をしてきました。 しかし認知症などでご自身の財産の管理が難しくなったときの対策を知りたい方にもお役に立てるように、後見制度についても、改めてお話していきたいと思います。 後見制度のお話をすると、後見人は自分で選べるの?というご質問をいただくことがよくあります。 法定後見制度を利用する場合、後見人(保佐人・補助人)に誰を選任するかは、裁判所が決めることになります。そのため、必ずしもご本人やご家族が希望される方が選任されるわけではありません。 そのため、ご本人の判断能力が低下してからでは、ご本人の希望する方に財産を管理しても
公正証書遺言は、本人が亡くなった後でも探すことができる??
2020年04月13日
せっかく公正証書遺言を作っても、見つけてもらえなかったらどうしよう!?と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。 公正証書遺言は、平成元年以降に作成されたものは、全国の公証役場で検索してもらうことができます(日本公証人連合会が全国的に、公正証書遺言を作成した公証役場名、公証人名、遺言者名、作成年月日等をコンピューターで管理しています)。 もっとも、遺言の検索は、遺言を作成された方が亡くなるまでは、作成されたご本人しかできません。 そのため遺言の効力が発生するまで(作成された方がお亡くなりになるまで)は、遺言を作成しているかどうかは、作成時の証人を除いて、他の方に知られることはあり
自筆証書遺言の保管について
2020年04月06日
今年の7月10日からご自身で書いた遺言を、法務局が保管してくれる制度、「自筆証書遺言保管制度」が始まります。 この制度が始まった後でも、遺言をご自宅で保管することは可能です。 しかし上記保管制度を利用されずにご自宅で保管されていた場合には、家庭裁判所での「検認」という手続きをとる必要があります。 家庭裁判所での検認は、裁判官の前で遺言を確認し、内容を裁判所において記録する制度です。ただ、この手続きは予約制のため、裁判所に申し込みをしてから実施まで、1ヶ月近く待たなければならないこともあります。 そのため、まずは公正証書ではなくご自身で遺言を書こうと思われている方は、万が一の時にスムー
エンディングノートの書き方 ~まとめ~
2020年03月27日
エンディングノートの有用性については、このコラムでも何回か取り上げてきました。 また、書き方についても折に触れて紹介してきましたが、今回はエンディングノートの書き方や書く際の注意点をまとめてみました。 <財産関係> ① 預貯金や株、投資信託をお持ちの方は、金融機関名や証券会社名と支店名まで書いておきましょう。 ※暗証番号や取引用パスワードまでは記載する必要はありません。 ② 契約されている医療保険や生命保険についても保険会社名や連絡先などを書いておきましょう。担当者の方のお名前を書いておくとよいでしょう。 ③ ご自宅以外にも不動産をお持ちの場合は、その物件の住所だけで
遺言は封をする必要があるの?
2020年03月23日
「遺言」と言われると封に入った状態のものを思い浮かべるかもしれません。 しかし遺言は、封がしていないと(封筒に入っていないと)無効というわけではありません。 封のしてある遺言は、裁判所で開封の手続きをとらなければなりません。 裁判所で遺言の確認を行う手続きを「検認」といいます。 検認は、予約制なので、裁判所に申し込みをしてから1ヶ月近く待たなければならないこともあります。 封がしてある遺言だとその間、内容がわからないのでご家族は不安な時間を過ごすことにもなります。 このように考えると封をしないほうが良いと思われるかもしれません。 しかしそうすうると、遺言自体が遺言者以外に書き換えられて
自分で遺言を書いてみたい!
2020年03月15日
遺言を書くには色々な形式を守らなければならない、と聞いたことはありますか? 民法という法律では、自分で遺言を作成する場合のルールが、細かく定められています。 まず、自筆証書遺言は基本的に全て直筆で書かなければなりません。 最近の改正で、財産に関する一覧表の部分は、パソコンで作成して印刷したものや通帳のコピーなどでも構わない、と言うことになりました。ただし、その全てのページにご自身で署名と捺印をすることが必要になっていますので、気を付けてください。 また遺言を作成した日付も書いておく必要があります。 これも有名な話ですが、日付を「〇年○月吉日」と書いた自筆証書遺言が、裁判で無効になってしま
遺言に関する法律、どこがかわったの?①
2020年03月02日
遺言に関する法律が変わったらしい、と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。 今回改正があったのは、遺言の種類のうち、自筆証書遺言に関する条文です。 自筆証書遺言と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、要するに自分1人で作れる遺言のことです。 遺言にはいくつか種類があり、よく利用されるのは自筆証書遺言と公正証書遺言です。 自筆証書遺言が自分だけで作れる遺言であるのに対して、公正証書遺言は、公証役場での手続きが必要です。 これだけ見ると公正証書遺言を作るのは大変なのではないか、と思われるかもしれません。 ですが公正証書遺言は、内容さえご自身で決め
万が一のときに財産を引き継いでくれる人は誰?
2020年02月28日
ご自身に万が一のことがあった場合、相続人になる人は法律で決まっています。法律上相続人になる人以外に財産を引き継いでもらいたい場合には、遺言を準備しておかないと、基本的に引き継いでもらえません。 よくあるご相談は、ご自身にはお子様はいないが、近所に住んでいる甥っ子さんや姪っ子さんが、自分の面倒をよく見てくれているので、その子に遺産を相続させたい、というご相談です。 甥っ子や姪っ子さんは、ご兄弟がご自身よりも先に亡くなられていた場合には、相続人になりますが、ご兄弟がご健在の場合は、相続人になりません。 ご自身に万が一のことがあった時に、確実に甥っ子さんや姪っ子さんに相続してもらいたいと考える
遺言の準備以外にもエンディングノートは活用できます!
2020年02月14日
エンディングノートを書こうと思っても財産のことなど難しく考えてしまって、進まないこともあるかもしれません。 そういうときは、まずご自身の人生を振り返る項目から始めてみましょう。 エンディングノートには、親しい方の連絡先などを書く項目があります。 親しい方の顔を思い浮かべ、その方々との懐かしい出来事を思い出すことは、なかなか楽しい時間ではないでしょうか? 色々なことを振り返りながら、万が一のことがあったとき、連絡を取ってほしい方のお名前や連絡先をエンディングノートに書きこみます。 こうすることで万が一のとき、ご自身が希望する方に、知ってほしい情報を知らせることができますし、遺された方
遺言の準備のために「エンディングノート」を使ってみましょう!
2020年02月05日
遺言を作るためには、まずご自身がどのような財産を持っているか把握することが大切です。 ご自身が持っている預貯金、株、投資信託、不動産などリストアップしてみましょう! 遺言には、預貯金であれば、どこの銀行の何支店にどのような種類の預貯金(普通預金なのか定期預金なのか)があるということを書く必要があります。 暗証番号は相続手続きで必要になることはありませんので、書く必要ありません。 投資信託や株などに関しては、担当者の方が決まっているかもしれません。 担当者の方がいらっしゃるときは、ご担当者のお名前や連絡先を記入しておくと、話がスムーズになると思いますので、お名前と連絡先を書いておくこと
遺言を書きたい!でも、何から始めればいいの?
2020年01月31日
遺言を書いた方がいいということは分かったけれど、実物も見たことがないし、どうやって書けばいいの?そもそも何から始めればいいの?とお悩みの方は多いのではないでしょうか。 「遺言」というのは、簡単に言うと、自分が持っている財産を誰にどのような形で引き継いでもらいたいか、という希望や要望を書くものです。 まずは難しく考えず、ご自身名義の預貯金、ご自宅、株などご自身がどのような財産を持っていたか思いつくかぎりメモしてみましょう。 その次は、メモした財産を誰に引き継いでもらいたいか?と言うことを考えます。 たとえば一緒に住んでいたご家族がご自宅を引き継いでもらいたいとか、かわいいお孫さんにも
仲が良い家族だからこそ遺言が役立つこともあります!
2020年01月28日
うちの家族は仲がいいから遺言なんて必要ない 本当にそうでしょうか? よくある相続の困りごとの一例を見てみましょう。 Aさんは、自分に万が一のことがあったら「全部の財産を妻であるBさんに。」考えていました。 お二人の間のお子さん(Cさん、Dさん)もAさんと同じ考えでした。 ある日、Aさんが亡くなり、実家に集まったCさんとDさんは、Bさんに「お父さんの遺産は、全部お母さんのこれからの生活に役立てて。」と言いました。 そこで、Bさんは、相続の手続のために銀行を訪れました。 すると担当の方から「この書類にご相続人全員の署名と実印で押印してもらって