「誰に言われるか」によって遺産分割協議が進む場合もあります
2019年03月24日
相続に関する案件についてホームページからのお問い合わせも増えていますし、紹介をいただく案件も増えています。 その中で「弁護士が介入したことがきっかけで、早期に解決した」という案件もあります。 ご親族間で協議をされていても、感情的な対立が深まってしまい、話し合いにならないということもあります。ただ、相手の方も調停などの裁判手続までは望んでいないというような場合、弁護士が介入することで話し合いで問題が解決することもあります。 弁護士はある方の「代理人」として活動する以上、裁判所における調停委員のような仲介役にはなれません(その点は相手方となる方にも、ご説明をしております)。 それを踏
相続人が一人だけなら遺言は作らなくても良い?
2019年02月10日
ご相談を受けている中で、「相続人となる人が一人だけなら、遺言は作らなくても良い?」というご質問をいただくこともあります。 たしかに、法定相続人が一人だけなら、相続人同士で争う、という場面が生じないので遺言を作成する必要がないようにも思えます。 ただ、相続人の方は自分で「相続手続に必要な書類」を集める必要がありますが、慣れていないと予想以上に時間がかかりますし、亡くなった方の戸籍の記載を読んで、生まれた時の戸籍まで遡っていくことも一苦労だと思います。 また金融機関などの手続が平日しかできないために、仕事を休まなければいけなかったというお話しも伺いました。 それに、亡くなった方
自筆証書遺言が作りやすくなる?? 〜「相続法」の改正について〜
2019年01月20日
相続法(民法の中の相続の規定)が改正され、今年から段階的に施行されます。 そこで、皆様に関係が深いと思われる部分について、何回かに分けてご紹介します。 まず、自筆証書遺言の「要件」の緩和です。 自筆証書遺言は、全文、日付、署名を自分で書く必要があり、押印をすることが要件とされています。 その際、ご自身の遺産を目録として添付することもあるのですが、この目録についても自分で書く必要がありました。 例えばワープロソフトを使って作成したり、通帳などのコピーを添付しても、自筆証書遺言の要件を満たさなくなってしまい、その結果、無効(その遺言自体が存在していないことになる)となってしまい
相続 リスク診断のための無料相談を始めました
2018年12月27日
相続問題が起きる前に、リスクを診断してみませんか? 相続の際にトラブルになってしまった方からは、 「問題が起きるとは思っていなかった」、 「(被相続人の)父・母も考えてもいなかったと思う」 というお話しを良く伺います。 相続については、亡くなってからトラブルが生じることも多くあります。 ただ、予め対策を取っておけば、防げるトラブルも多くあります。 そこで今回、相続の「リスク診断のための無料相談」を実施することにいたしました。 もし下記に当てはまった場合、積極的に相談をご検討ください。 ・遺言書を書くかどうか迷っている ・両親が亡くなった場合、トラブルが起きないか不安・・・ ・いざと
遺産分割調停の平均審理期間について
2018年12月12日
「遺産分割の調停には、どれくらい時間がかかりますか?」 ご相談をいただく中で、必ずと言っていいほどいただくご質問です。 当事務所でご依頼をいただいてから、解決までにかかった期間の平均値・中央値(2017年時点)は、以前事務所のHPにてお話をさせていただきました(詳しくは、こちらの「案件が解決するまでの期間について②」をご覧ください)。 今回は遺産分割調停などの平均審理期間について、最高裁判所が公表している資料を元にお話ししたいと思います。 遺産分割調停に関する平均審理期間は「11.2ヶ月」とされています(平成28年時点)。 遺産分割調停が始まってから調停成立(解決)まで、
年末年始を迎えるに当たって
2018年12月11日
2018年も残り1ヶ月を切りました。 この年末年始には帰省される方も多いと思います。 当事務所では、12月や翌年の1月・2月に「相続」に関するご相談をいただくことが増えます。 夏休みの時もそうなのですが、帰省をして家族で集まった時に、相続について真剣に考える時期に来た、と考える方が多くなるからではないかと思っています。 今回は年末年始を迎えるにあたり、「親からの相続」について、問題が起きやすい類型をお話しします。 まず、ご両親が再婚で、前妻・前夫との間に子どもがいる、という方の場合、相続の場面で争いが起きやすいと言えます。 また、ご自身のご兄弟で連絡が付かない人がいる、ま
遺産分割で争いになるのは、お金持ちだけ??
2018年12月08日
ある方が亡くなった時、遺言が残されていない時には相続人の間で遺産をどう分けるかを話し合う必要があります。 この話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。 「うちは財産がないから、トラブルにならない」「遺産分割調停は、お金持ちがやることでしょう?」といったことをおっしゃる方が多くいらっしゃいます。 ところが、実際に遺産分割調停になっているケースの4件に3件は「遺産総額が5000万円以下」というデータがあります(最高裁判所 司法統計より)。 遺産総額が1000万円以下のケースは30パーセント、5000万円以下のケースは75パーセントとされています
相続準備サポートを始めました
2018年10月28日
法律事務所に相続の問題を相談するのは、問題が起きてから、と考えている方が多いのではないでしょうか? ここ数年、生前の財産管理や遺言、そして遺産分割の相談や案件対応を多くさせていただいておりますが、問題が起きる前から『できる限り早く相談する』ことで、問題の発生を防いだり、またトラブルを最小限にすると言うことが出来ます。 でも、どの時点で相談をして良いか分からない、という方もいらっしゃいます。 そこで、当事務所では相続手続準備サポートを始めました。 ご親族が亡くなった時点で相談をいただくことで、法定相続人(相続を受けることが出来る人)の調査、公正証書遺言の調査、財産の調査(不動産、
お盆を迎えるにあたって
2018年07月30日
夏休みには帰省される方も多いのではないかと思います。 当事務所は相続などに関する案件を扱っておりますが、毎年9月に相続・後見に関するご相談を多くいただきます。 これは、帰省に伴い、家族で集まった結果、真剣に考える時期に来たと思う方が多くなるからではないか、と考えています。 今回は、ご自身の相続について、考えておいた方が良いと思うことをお話しします。 まず、ご自身が相続に際して、どのような希望があるか、考えてみてください。 例えば、ご自宅を残したい、平等に分けたい、残された配偶者の面倒を見てほしいなどといったことが考えられます。 もちろん、その前提としてご家族にトラブルが生じ
使途不明金にご用心
2018年07月19日
遺産分割に関する案件をご相談いただく中で、「被相続人が亡くなる前の預貯金の管理」が問題となることが、増えています。 例えば、お父さんと長男家族が同居している家族がいるとします。 この時、お父さんから依頼を受けて、長男家族がお父さん名義の預貯金を管理することもあります。 このような場合、お父さんが認知症になってしまったとしても、成年後見制度を利用しないで、そのまま管理を続ける方も多いのではないでしょうか? このようなケースでは、お父さんが亡くなった後、「お父さん名義の預貯金の使い道」が問題になることがあります。 管理を続けている中で、お父さんのために使ったことを1円の誤差もな
女性弁護士への相談を希望される方
2018年06月25日
相続や後見に関するご相談をいただくことが非常に増えていますが、その中で、高齢者の女性から「女性弁護士に財産管理などをお願いしたい」という要望をいただくこともあります。 後見などの業務を行う上で、ご本人の状況を確認する必要などもありますので、定期的にご自宅に伺います。 それを考えると、女性の依頼者の方が、後見人などに女性の弁護士の就任を希望されるお気持ちも分かります。 当事務所では、女性の相談者の希望に応じて、女性弁護士による相談を実施しております。 補助・保佐・後見人の候補者に推薦することもできますので、お気軽にご相談下さい ※法定後見制度を利用する場合、誰を選任するかは最
セカンドライフを安心して過ごすために
2018年05月13日
セミナーや法律相談を通じて、ご自身のセカンドライフについて、心配という声を多く伺います。 「この制度を使えば、全てが解決!」 というものがあれば、良いのですが実際には家族の状況や、その方の希望に応じて制度を使い分けていく必要があります。 例えば、自分が持っている賃貸物件の管理は長男に任せて、自分は自宅で生活しながら、認知症になってしまったら自宅を売却して、有料老人ホームに入る、自分が亡くなったら自分の財産は家族で分けて欲しい、ということを希望されている場合、民事信託、任意後見契約、遺言を作成しておくことなどが考えられます。 また、相続税が心配という場合には、相続税対策も検討する必