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コラム

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インターネット、デジタル機器と後見・相続について

2017年05月27日

 後見人業務や相続案件を対応する中で、ご本人や亡くなった方がインターネット・パソコンを日常的に利用していた場合に、問題が起きてしまうことがあります。  例えば、ご本人が株取引などをインターネットで行っている場合、そのIDやパスワードが分からないと後見業務などに支障を来します。  証券会社が分かれば、問い合わせ自体は行うことはできますが、時間がかかります。また、証券会社自体が分からないという場合には、調査にはより一層時間がかかります。  また、ご本人が個人事業主や会社経営をされていて、業務を行う上で必要なデータが、パソコンに入っている方も多いと思います。  もし、そのデータへのアクセス方法を

障害があるお子さんの財産管理

2017年05月14日

 ここ最近、知的障害などがあるお子さん(成年)を持つ親の高齢化に伴い、親子両方の生活に支障を来している、という相談を受けることが多くなりました。  中でも、ご両親が元気なうちは、ご両親がお子さんの対応をしていたものの、その両親が高齢化し、介護が必要になったことで初めて周囲が問題を知ることとなった、ということが多いと感じます。。  このような場合、次のような対応が考えられます。  ①子ども側に判断能力がある場合には、その判断能力の度合いに応じて、任意後見制度や補助・保佐など法定後見制度の利用を検討することが考えられます。  ②子ども側に判断能力がなく、親側には残されている場合、親が申立人

出張法律相談について

2017年04月12日

 後見・遺言・相続に関する高齢者の方からの相談については、出張法律相談を実施しております。  法律相談というプライバシーに関することをお話しいただく場面は、秘密を守ることができる法律事務所内での相談が原則と考えております。  ただ、お体の具合などで事務所までおいでいただけない方も多くいらっしゃいます。  そのため、当事務所では横浜市内在住の方に限り、出張法律相談を実施しています。  例えば、ご自宅や入居されている施設、そして病院などに弁護士が赴き、そこで法律相談を実施いたします。  もちろん、プライバシーに配慮する必要がありますので、施設や病院であればプライバシーが守れる場所(個室や相

法律相談時の工夫について

2017年04月05日

法律相談の際には、ホワイトボードや手続のイメージ図、そして交通事故の場合には、ミニカーで事故状況を再現していただくなど、相談者の方に目で見て分かるように工夫をしてきました。 幸い、相談者の方から非常にご好評いただいています。 また、案件をご依頼頂いた方を対象としたアンケートでは、回答していただいた方のほとんどが『弁護士の話は分かりやすかった』との回答をいただきました。 今回、さらに分かりやすく、より短時間で効果的な相談にするため、試験的にiPadを導入することとしました。 今まで以上に、効果的な法律相談が出来るように努力を続けていきたいと思います。 よろしくお願いいたします。  

社会福祉士国家試験の受験勉強を通じて

2017年03月31日

 ここ数年、福士に携わる方と勉強会を開催したり、ご相談を受けたりする機会が多くあります。  その中で、福祉業界の方が「弁護士」に対して感じている「ハードルの高さ」を実感しました。  そもそも、知り合いがいない、どこに相談しに行けばよいか分からない、相談に行くだけでも高い費用がかかるのか心配・・・などなど。  ただ、対応されている案件によっては、すぐにでも弁護士によるサポートが必要なケースもあります。高齢者の方に関する問題だけでも、独居の方の財産管理の問題や、高齢者虐待の問題、介護に伴う財産の処分の様々です。  今回、社会福祉士の国家試験野勉強や実習を通じて、福士の分野においては弁護士によ

第29回 社会福祉士国家試験に合格しました

2017年03月26日

平成29年1月に実施された社会福祉士国家試験に合格しました。 当事務所立上の前後から高齢者の方に関する案件を多くご依頼いただくようになりました。 そういったこともあり、知り合いの社会福祉士の方に勧められて、受験を決めました。 ただ、そもそも受験資格がなかったので、専門学校に通い、介護老人保健施設にも実習に行きました。 受験資格を取得するだけで1年半以上かかりましたが、おかげ様で一回で試験に合格することが出来ました。 社会福祉士としての登録はこれからですが、資格取得の過程で得た知識を、業務に活かし、より良い法的サービスを提供して行きます。   今後ともよろしくお願いします。  

遺言でトラブル??

2016年12月19日

 亡くなった方が遺言を作成していたのに、他の相続人とトラブルになってしまったということで相談に来られる方もいらっしゃいます。  お話を良く聞いてみると、遺言に基づく分割の結果、トラブルが生じてしまったり、他の相続人から不満が出て争いが生じてしまったということが多くあります。  そういった場合、遺言の作成自体に弁護士が全く関与していない、ということも多くあります。  遺言を作成する目的は様々ですが、相続人同士の争いを避けるということを目的にしている方が多いのではないでしょうか??  ただ、場合によっては遺言を作成することで、新たな問題が起きてしまうこともあります。例えば、不動産を相続人の共

不動産が原因の相続トラブル??

2016年12月11日

 遺産の中に不動産があると、それが原因でさらにトラブルが起きてしまう場合があります。  Aさんが亡くなった後、遺言が残されていない場合、Aさんの残した財産をどのように分割するかを、相続人間で協議を行います。  その時、現金や預貯金は金額も明確ですから、どのように分けるかといったところでは協議は比較的容易です。  ところが、居住用不動産については、相続人の一人が住んでいたりして売却が出来ない場合があります。  その場合、住んでいる人がその不動産を相続し、代わりに他の相続人にお金を支払うという解決方法も考えられますが、このお金を用意することが困難な場合もあります。  また、事業用の不動産(貸マン

ケアマネージャーの方からの法律相談について

2016年10月27日

 事例検討会に参加させていただいたり、セミナーを開催したりしている関係で、ケアマネージャーの方から、利用者の方についての法律相談を受けることがあります(もちろん、匿名化や、利用者の方から事前に承諾を得ているなど個人情報については十分に注意されています)。  その中で、自宅で生活をされている独居の方についてのご相談が多いと感じます。  具体的には、現在は認知症にはなっていないものの、親族がいなかったり、関係が悪く協力を見込めなかったりという場合に、今後、どうしたら良いかという相談が多いです。  この場合、ご本人に判断能力があるうちには、任意後見契約を結んだり、ご本人に補助開始の申立てをしても

介護施設、事業所の方と後見制度への理解について

2016年10月20日

 仕事をしていく中で、介護施設や事業所の方とお話をする機会が多くあります。  その中で、「後見制度は、知識としては知っていても、どう使うのか良く分からない」といった声も多く聞かれます。  後見制度は一見すると複雑ですし、利用者に家族がいる場合には、必要性を感じられないという方もいらっしゃいます。  ただ、「契約」と後見制度をは切っても切り離せないものですし、家族がいるから場合でも後見制度が必要な場合は多くあります。  特に高齢者の方を対象とする事業では、後見制度をきちんと理解しておくことが、事業を続けていく上では重要です。  また、金銭が絡む場面で、安易な対応をしてしまうと従業員や事業所を危険

高齢者の方への「経済的虐待」について

2016年10月13日

 最近、親が他の親族から経済的な虐待を受けているのではないか、という相談をいただくことが増えています。  経済的な虐待とは、一言でいえばご本人の財産を不当に使ったり、正当な理由がないのにご本人の財産をご本人に使わせないといったことを指します。  ご本人に判断能力がしっかりとあり、ご本人の希望に基づいて親族が使っているような場合には、当てはまりませんが、中にはご本人に判断能力が全くないにもかかわらず、使われてしまっていることもあります。  この場合、成年後見制度および保全制度を利用することで、ご本人のための財産管理を実現することが可能といえます。  ただ、外から見ているだけでは、実態が良く

相続対策はどのように進めるの??

2016年10月06日

 ご自身が亡くなったあとの、相続対策について相談を受ける機会が増えています。それだけ、関心が高まっているということなのだと思います。  ただ、一口に相続対策と言っても、その内容は様々です。  「相続税が心配」、「自分の妻にきちんと財産を残したい」、「自分が亡くなったら、認知症の夫はどうなるのか」というように、人によってお悩みは様々です。  反面、相続に関する情報は多く出ていますが、それをどのように活用したら良いか分からない、という方も多くいらっしゃいます。  そのため、当事務所では相続の相談に来られた方が、一番何を心配しているのか、自分が亡くなった後でどのような問題が一番起きてほしくない