「こんな人は遺言を作っておいた方がいい? ①」
2023年09月22日
「終活」という言葉が一般的になり、相続対策に関心がある方が非常に増えたという印象を受けています。 その反面、やはり自分や自分の親には関係ないと思っている方も多いのではないでしょうか? 今回はこれまでとまた視点を変えて、遺言を作成しておくことをお勧めする場合をお伝えします。 ご参考にしていただけると幸いです。 <資産が「複数種類」ある方> 資産なんてないよ、と思われる方も多いかもしれません。 ですが、ご自身の財産を見直していただくと、 ・メインバンク以外にもいくつかの金融機関に口座を持っている ・自宅が持ち家である ・退職金を受け取り、その一部を投
「後見制度を利用するのは不安なんだけれど・・・③」
2023年09月14日
前回に引き続き、後見制度を利用する場合に、良くいただくご質問についてお話しします。 <後見人には費用はどれくらいかかるの?> 第三者の専門職が後見人などに就任した場合、毎年いくらくらいかかるのか、というのは気になるところだと思います。 この報酬の金額ですが、法定後見の場合には決めるのは家庭裁判所です。 まず、後見人は必ず毎年1回は裁判所に対して、1年間の業務内容と収支、財産の状況などを報告します。 裁判所はこの報告をもとに、後見人の業務量やご本人の財産状況(収支や持っている財産)に応じて後見人の報酬を決めます。 このように報酬を決める際、ご本人の財
「後見制度を利用するのは不安なんだけれど・・・②」
2023年09月13日
前回に引き続き、後見制度の利用について、良くご質問を受ける点をお伝えします。 <後見人には誰が選ばれるの?> 後見制度を利用する際に気になるのが、誰が後見人に選ばれるのか?という点です。 まず、原則として誰を後見人に選ぶのかは、家庭裁判所が決めるとされており、そのこと自体には不服の申し立てができません。 これだけ聞くと、全く見ず知らずの第三者が選ばれてしまうのではないかと不安になると思います。 しかし、実際の運用では、家庭裁判所にはいろいろな事情を説明し、後見人の候補者を挙げることもできます。 例えば、親族を候補者に挙げることもできますし、自分が信頼できる弁
「後見制度を利用するのは不安なんだけれど・・・①」
2023年09月05日
後見制度に関するご相談を受ける中で、「後見制度を利用するのは何となく不安」という声を良く伺います。 ニュースなどで後見制度の悪い側面を見てしまっていることも原因かと思われますが、後見制度についてよく分からないということも一因にあるのではないでしょうか。 そこで今回から何回か渡り、後見制度についてよくご質問いただく点についてお話していきます。 <本人のお金は適切に管理してもらえるの??> ご相談に訪れるみなさんが一番心配される点と言っても過言ではないかもしれません。 まず後見人は広い代理権を有し、ご本人の財産を管理します。 もっとも、この財産の管理については裁判所
「相続問題が起きやすいのはどんなケース?③」
2023年09月04日
今回も相続問題が起きやすいケースをご紹介します。 <ケース1> 被相続人:Xさん 相続人:配偶者Aさん、XさんのきょうだいB、C、Dさん 被相続人と配偶者Aさんとの間に子どもはおらず、相続人はAさんと、Xさんのきょうだいという場合です。 この場合、B、C、Dさんがどこに住んでいるか分からず、その所在から調査する必要がある場合も多くあります。 またBCDさんも高齢という場合も多く、認知症などで遺産分割協議自体ができないというケースもあります。 この場合、後見人の選任など別途手続が必要になることもあり、遺産分割協議に入るまで相当程度時間がかかってしまうことがあります。  
「相続問題が起きやすいのはどんなケース?②」
2023年08月29日
前回に引き続き、相続問題が起きやすいケースをご紹介します。 相続人の方が、被相続人の介護の負担を引き受けていたような場合です。 例えば次のようなケースです。 <ケース1> 被相続人:Xさん(配偶者はすでに他界) 相続人:長女Aさん、長男Bさん 被相続人は長男Bさん家族と亡くなる直前まで同居していた。 介護は長男Bさんとその家族が行っていたというケースです。 この場合AさんがBさんに対して、法定相続分に基づく遺産分割を求めたところ、Bさんは自分達が介護をしてきたのに納得ができない!とAさんの申し出には応じられない、という主張がされることがあります。 この場合、「寄与分」という制
「相続問題が起きやすいのはどんなケース?①」
2023年08月24日
前回、相続対策の準備についてお話をしましたが、今回はもう一歩進んで相続問題が起きやすいケースについて、最近ご相談が多い類型を何回かに分けてご紹介いたします(このテーマは以前にもお話ししていますが、復習の意味を込めてご覧いただけると幸いです) まず遺産の中で、「自宅不動産」の価値が占める割合が高い場合です。 例えば、次のような場合です。 <ケース1> 被相続人:Xさん(配偶者はすでに他界) 相続人:長男Aさん、長女Bさん 遺産の総額が5000万円で、自宅不動産が4000万円、預貯金が1000万円、その自宅不動産には長女Bさんが住んでいるというケースです。 Bさんは
「久々に家族で集まったけれど、しておいた方がよいことはある?」
2023年08月17日
今年のお盆は久しぶりに帰省された、という方も多いのではないでしょうか? このような時期に、ご両親の年齢が70を超えている方にお勧めしているのが、相続対策とご両親の老後の準備を始めることです。 昔と比べて、70歳と言っても元気な方は本当に多いと思います。 ただ、当事務所にご相談をいただく方の中には、両親の相続対策を始めようと思った時には認知症になってしまっていたり、病気で入院してしまって思うように進めることができなかったという方が数多くいらっしゃいます。 このコラムでもご説明はしていますが、相続対策はご本人の判断能力がしっかりしている間であればできることはたくさんあります。
「老後のために何から準備した方が良いの?③」
2023年07月24日
今回も老後のための準備についてお話しします。 自分が亡くなった後、財産を引き継いでほしい方はいますか? これは多くの人にとって重要な問題です。 まず遺言を作っていない場合、法律で決められた方(法定相続人と言います)が相続をします。 しかし誰が相続人になるかは、家族構成によって異なりますし、また離婚、再婚などで変化が起きます。 例えばAさんという方がBさんと結婚し、子Cさんが生まれました。 その後、Aさんが離婚し、Dさんと再婚したのち、子Eさんが生まれたという場合、Aさんが亡くなると法定相続人はCさん、Dさん、Eさんとなります。 またお子さんがいらっしゃらない高
「老後のために何から準備した方が良いの?②」
2023年07月20日
前回に引き続き、老後のための準備についておすすめの方法をお話しします。 安心した老後のために、ご自身の生活にどれくらいお金がかかるのか、またご自身にはどれくらいの財産があるのか、どれくらいの収入が見込めるのかを把握することが、将来的な生活をイメージする上で非常に重要です。 預金、定期預金、生命保険の満期金、自宅などの不動産、株式や投資信託などご自身の財産を整理することから始める必要があります。 まずはこれらの財産について箇条書きにすることから始めましょう。 普段使っている口座の残高はわかっていても、定期預金や生命保険の満期など、すべての財産を把握することは簡単
「老後のために何から準備した方が良いの?①」
2023年07月14日
「穏やかで安心できる老後を過ごしたい。」とお考えの方も多いと思います。 では「安心できる老後」、「穏やかな老後」とは、具体的にどういう状況でしょうか? 「安心」、「穏やか」は抽象的な言葉なので、なんとなく希望はあるけれど、具体的なイメージをしたことがないために、漠然とした不安感を持っている方が多いように思います。 まずは自分がどんな生活をしたいのか? 認知症や思うように体が動かなくなっても、どんな状態であれば安心して生活できると思うか? 自分が「安心」や「穏やか」と感じるのは具体的にどういう状態なのか具体的に考えてみましょう。 例えば、判断能力や
「相続のことを弁護士に相談する理由はなに??」
2023年07月07日
最近は、インターネットを利用して相続対策の情報を収集することができます。また多くの相続対策の本も出版されています。 これらを活用することで、自分でも相続対策ができると考えられる方も多くいらっしゃいます。またトラブルになっていないのに弁護士に相談する必要もないのではないか、と考える方も多いのではないでしょうか? では、相続のことを弁護士に相談する理由は何でしょうか?? 先ほど挙げたインターネットや書籍からの情報は有益なものも多くあります。 ただ多くの方向けに書かれている関係上、どうしても一般的なお話になってしまうという現状があります。また、インターネット上の情報については、まだ