遺言を作っておいた方が良い人は、どんな人??
2022年08月11日
このコラムでは遺言を作っておくことが、どれほど大切かについて、お話をしてきました。 今回は、特に遺言を作成しておいた方が良い方について、事例を交えて取り上げてみたいと思います(以前もこのテーマでコラムを作成しましたが、情報をアップデートしてみました)。 ご確認ください! ・再婚しており、前の配偶者との間にも子どもがいる方 → 現在の配偶者、その方との子どもと、前の配偶者の子どもで話し合いができず、トラブルになるケースが多くみられます。 → トラブル防止の観点から遺言作成をお勧めしています。 ・ご自身にはお子さんはおらず、配偶者ときょうだいがいるという方 → 相続発生後、配偶者、ごき
一人の相続人に、遺産分割の手続きを任せてしまって大丈夫?
2022年08月08日
遺産分割を行う場合、相続人の中のうち一人が手続をすべてやることを申し出る、ということもあります。 その方の指示に従って、書類を書いたり、印鑑を押したり、印鑑登録証明書を預けたりなどして進める、という方もいらっしゃいます。 これは、実は危険が伴う行為です。 遺産分割においては、まずは誰が、何を、どれだけ受け取るのかというのを決めておくことが大切です。それが決まってから、それに基づいて分配をするというのが基本的な流れです。 このような手順を踏まず、とりあえず預金を下ろしてしまう、不動産の名義を特定の方に変更してしまう、という方もいらっしゃいます。 この場合、あとから分け方を決
遺言を作るには何から始めればいいの?
2022年08月05日
「遺言を作る」 これだけで身構えてしまったり、億劫になってしまうのではないでしょうか? このコラムでは、遺言を作っておくメリットをお話してきました。ただ、どうしても動こうとすると一歩目が動き出せない、という方もいらっしゃると思います。 そのような場合、簡単なことから始めることをお勧めします。 ・ご自身の財産を書き出してみてください 金額も何となく、でよいので、書き出してみることが大切です。 「財産なんかないよ!」とおっしゃる方も多いのですが、預金、不動産、株式などがすべて「財産」です。これを書き出してみて、ご自身の財産がどれくらいあるのか、そのバランスなどを確認してください →
帰省時期の後には、相続のご相談をいただくことが増えます
2022年08月03日
新型コロナウィルス感染症流行に伴い、なかなか帰省ができないという方も多いのではないでしょうか。両親と何年も顔を合わせていない、という方もいらっしゃると思います。 この帰省シーズン後には「相続」に関するご相談をいただくことが増えます。 電話などで、ご両親の様子が以前と違うであるとか、認知症かもしれないと感じたことなどを理由として、相続対策が不安になった、とおっしゃる方もいらっしゃいます。 このコラムでも何度か取り上げましたが、病気・事故などの影響で判断能力が失われてしまった場合、相続対策をすることもできなくなってしまいます。 早めの対策が大事になりますが、なかなかご本人が決心でき
トラブルが起きていない場合でも弁護士に相談する必要はあるの?
2022年07月24日
「遺産分割協議書には書いてないんですが、こういった約束があったんです」 このようなご相談をいただくことが、たまにあります。 例えば、相続人の一人に全て相続をさせる、という遺産分割協議書を作り、その相続人から自分の取り分をもらうという合意をした、というご相談もあります。 よくあるトラブルが、この約束どおりに取り分がもらえないということです。そんな約束をした覚えはない、などと言われてしまったりすることもあります。 このようなケースで、話し合いで解決がつかない場合には、調停や訴訟で解決することが考えられますが、時間がかかりますし、合意の存在が証明できないということも考えられます。
どの制度を利用すればよいの??
2022年05月23日
法定後見、任意後見、遺言、家族信託、財産管理と高齢者の方にまつわる制度はたくさんありますよね。 ご家族や、ご自身に「どの制度を利用するべきか分からない」、と悩まれる方も多いと思います。 今回はその制度の使い分けについてお伝えします。 まず、上記制度のどれを選ぶかを考える前に、「ご本人の判断能力の有無」を確かめる必要があります。 例えば、Aさんという方について、そのご家族がAさんの預貯金の管理や相続対策をしたいと考えたとします。ただ、この時点でAさんが重度の認知症になってしまっていて、判断能力が全くないということであれば、法定後見制度しか利用できない、ということになります。
どのような場合に、相続トラブルが起きてしまうの??
2022年02月09日
テレビなどで「相続」に関するトラブルが取り上げられることが、ここ数年増えました。 どのような場合にトラブルになるかは一概には言えないのですが、ご相談・ご依頼を受けていると、「相続トラブルは誰に起こってもおかしくない」と感じます。 もともと仲が良かったのに、相続をきっかけに仲たがいをしてしまうという方々もいらっしゃいます。 また、親族の誰かが亡くなった方の財産を管理していた場合、その管理の方法に疑問があったり、または財産をきちんと開示してもらえなかったりといったことをきっかけに不信感が生じてしまうことがあります。 このような場合、まずはお互いに話し合いをして不信感を無くすことが
遺言の「費用対効果」は??
2022年02月08日
相続対策、特に遺言の作成については、多くの方が後回しにしたいと思われているのではないでしょうか。 自分や親族が亡くなった時のことを想像するのは嫌だと思いますし、気が進まないのは当然だと思います。 ただ、このコラムでも何度も取り上げているように、遺言を作成しておくことで、多くのトラブル発生を防ぐことができます。 その一つに、残された人の経済的な負担を回避できる、ということが挙げられます。 こんな事例を見てみましょう。 ・Aさん 配偶者はすでに亡くなっている。 ・Aさんには子B、Cがいる。 ・Aさんの財産は不動産(固定資産評価額は2000万円。時価ははそれより高い)、預貯金
解決までにかかる時間について(2021年12月時点)
2022年01月26日
ご依頼者から、 「解決までにどれくらい時間がかかりますか?」 というご質問をよくいただきます。 ケースバイケースですので、具体的にお伝えするのはなかなか難しいですが、当事務所で集計した結果について、お伝えするようにしています。 当事務所で対応した案件について、2014年から毎年、「ご依頼から解決までにかかった期間」の集計を取っています。 「委任契約をした日から、終了報告書を送付した日」までの月数をカウントするようにしています(解決の日はもう少し前になるはずですが、一番長くかかってこの日まで、ということで集計しています)。 遺産分割、後見に関しては下記のとおり
帰省時期のあとには後見、相続のご相談をよくいただきます
2022年01月25日
以前にも書いたことがありますが、年末年始やお盆の後には、「相続」、「後見」に関するご相談を多くいただきます。 帰省された際に、ご両親の様子が以前と変わっていた、認知症かもしれないと思った、相続対策が不安になった、ということで相談をされる方が多くいらっしゃいます。 新型コロナウィルス感染症の影響で、なかなかご実家に帰れないという方も多かったと思います。 久しぶりに会ったご両親に、次のようなことが見られた場合には、ご相談をすることをお勧めします。 日時が分からなくなっていた、以前できたことができなくなってしまった 年齢やご病気などの影響で、記憶力、認知能力の低下されている可能
争いは無くても相続手続は大変!? ~法定相続情報証明制度を利用しましょう
2021年07月30日
「法定相続情報証明制度」をご存知でしょうか。 ご親族が亡くなると、預金等の相続手続きを行う必要があります。 ここで、金融機関の口座の相続手続には、亡くなった方が生まれてから亡くなるまでの一連の戸籍を提出する必要があります。 基本的には、提出した戸籍の原本の返却を希望すれば、返してもらえますが、同時に複数の機関で手続きを行う場合には、同じ戸籍を何通か準備しておくか、戸籍が返ってきてから1件ずつ このようなときに役立つのが法定相続情報証明制度です。 法務局に戸籍などの書類と一緒に法定相続人を家系図のような一覧表を提出すると、その一覧図が戸籍上の法定相続人がもれなく記載されている
相続は争いがなくても大変!?〜相続手続きのお話〜
2021年06月24日
「あなたの本籍地は?」と聞かれてすぐに正確に答えられる自信はありますか? まして親御さんやご兄弟の本籍地となってくるとさらに難しくなってくるのではないでしょうか? 運転免許証にも本籍地が記載されなくなりましたから、なかなか本籍地がどこだったかを意識する機会はないと思います。 しかし相続の場面になると戸籍がどこにあるのか、ということが大切になってきます。 たとえ争いのない相続であっても、金融機関などで手続きを行うとき、亡くなられた方の、生まれてから亡くなるまでの一連の戸籍を提出することが求められるからです。 本籍地がわからない場合は、本籍地が書かれている住民票を取得し