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コラム

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「話し合いすら拒絶された相続問題」調停手続きを通じて希望どおりの解決を実現~解決事例より①

2025年07月23日

今回から当事務所の解決事例を基にコラムを掲載していきます。同じような問題で悩まれている方の助けになれば幸いです。※ご依頼者からホームページなどに掲載をすることについて承諾をいただいた事例のみ掲載しております。また匿名化のため事案の一部を変えていますが、問題の本質・解決方法は同じです 遺産分割の話し合いに応じてもらえない! 依頼者はお母様を亡くされたことから、遺産分割について兄と話し合おうとしても全く応じてもらえない状況が続いていました。 相続は家族の問題だからこそ、時として感情的なもつれが解決を困難にしてしまいます。話し合いのテーブルにすら着いてもらえない—そんな状況に直面された方は、決して少...

突然の相続で慌てないための準備とは?知っておきたい相続リスク診断⑳

2025年07月21日

前回は架空の法律相談を基に、突然相続手続きをしなくてはいけなくなった方が気を付けるべきことについて触れました。今回は具体的に手続きをどのように進めていくのかを見ていきましょう。 手続きを進めるにあたって注意することは? 弁護士: お話をお聞きした中で、いくつか重要なポイントがありますので、ご説明しますね。 相談者: お願いします。 弁護士:まず、相続放棄は自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行う必要があります。3カ月は長いと思われますが、調査などに時間がかかることを考えると出来る限り早く動く必要があります。 相談者: えっ、そんなに短い期間...

突然の相続で慌てないための準備とは?知っておきたい相続リスク診断⑲

2025年07月19日

今回は少し趣向を変えて、急な相続に直面してしまった場合にどのような対応をすべきか、気をつけなければいけないことは何かについて見ていきます。 当事務所の「相続リスク診断」は、問題が起こる前に潜在的な危険を見つけて対策する予防サービスです。 病気の早期発見と同じで、早めの対策がご家族の平和を守ります。 今回も架空のご相談者からの法律相談をベースに、相続リスクと対策をご紹介します。 ぜひご自身やご家族の状況と比べてみてください。 見えない相続の危険を見つける相続リスク診断 相談者 50代 男性 会社員 弁護士: 本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。お父様のことでご相談が...

遺言書があっても安心できない?知っておきたい相続リスク診断⑱

2025年07月16日

前回、架空のご相談者との法律相談を見ていただきました。 夫婦間の遺言書だけでは解決できない相続トラブルのタネとは何でしょうか。 早速見ていきましょう。 遺言書の「その先」が見えていない危険 弁護士: お話を伺った限りでは、現在の遺言書には大きな問題があります。まず最も重要な点をお伝えします。 相談者: はい、お聞きします。 弁護士: 現在の遺言書では、最終的にお子さんたちへの財産の分け方について何も定められていません。つまり、最後に残った方が亡くなった時に、長男さんと長女さんの間で遺産分割協議が必要になります。 相談者: 遺産分割協議というのは、話し合い...

遺言書があっても安心できない?知っておきたい相続リスク診断⑰

2025年07月14日

「遺言書を書いたから大丈夫」と安心している方は多いのではないでしょうか。 しかし遺言書を作成しただけでは、実は十分な相続対策とは言えないケースがあります。特に夫婦でお互いに「全財産を配偶者に相続させる」という内容の遺言書を作成している場合、思わぬ落とし穴が待っている可能性があります。 当事務所の「相続リスク診断」は、問題が起こる前に潜在的な危険を見つけて対策する予防サービスです。病気の早期発見と同じで、早めの対策がご家族の平和を守ります。 今回も架空のご相談者からの法律相談をベースに、遺言書作成後に潜む相続リスクをご紹介します。ぜひご自身の状況と比べてみてください。 見えない相続の危険を見つけ...

大家さんが気を付ける相続問題とは? 知っておきたい相続リスク診断⑯

2025年07月12日

前回、架空のご相談者との法律相談を見ていただきました。複数の不動産がある場合の相続トラブルのタネとは何でしょうか。早速見ていきましょう。 不動産の評価格差による不平等感 弁護士: お話を伺った限りでは、複数の深刻な相続リスクが潜んでいると思われます。 まず、不動産の評価額に大きな差が生じるリスクです。自宅、実家、アパートでは立地や築年数、収益性が全く異なります。相続時にこれらを適正に評価すると、思わぬ格差が生まれる可能性があります。 相談者: 格差というのは? 弁護士: 例えば、アパートは収益物件として高く評価される一方、古い実家は建物部分の価値がほとん...

大家さんが気を付ける相続問題とは? 知っておきたい相続リスク診断⑮

2025年07月09日

「不動産は分けられないから相続が大変」そう思っている方も多いのではないでしょうか。 不動産の相続問題は、物件の数や種類によってさらに複雑になることがあります。 当事務所の「相続リスク診断」は、問題が起こる前に潜在的な危険を見つけて対策する予防サービスです。病気の早期発見と同じで、早めの対策がご家族の平和を守ります。 今回も架空の法律相談をベースに、不動産相続に潜むリスクと対策をご紹介します。ぜひご自身やご家族の状況と比べてみてください。 見えない相続の危険を見つける相続リスク診断 相談者 60代 男性  弁護士: 本日はご相談いただき、ありがとうございます。不動産の相続についてご心配...

「とりあえず共有、は危険?」 知っておきたい相続リスク診断⑭

2025年07月07日

前回は架空の法律相談を通じて、相続した不動産を共有するリスクについてみてきました。今回はトラブルに発展する前に、どのような対応を取るべきか、について見ていきます。 共有不動産のトラブルを防ぐために出来ること 弁護士:いくつか懸念点があります。例えば共有不動産の管理方法や将来の処分方法について、明確な取り決めがないように思われます。また、仮にあなたが先に亡くなった場合、あなたの持分はお子さんに相続されますが、その場合に新たな問題が生じる可能性もあります。 相談者:そうですね…実は私も漠然とした不安がありました。でも具体的に何をすればいいのか分からなくて… 弁護士:不動産の共有状態には大きく分けて...

「とりあえず共有、は危険?」 知っておきたい相続リスク診断⑬

2025年07月05日

「亡くなったお父さん名義の自宅について、とりあえず法定相続分で共有することにした。」相談の中で、このような事実が分かることもあります。ただ相続した不動産を共有状態としておくことで、後々深刻なトラブルになることがあります。 当事務所の「相続リスク診断」は、問題が起こる前に潜在的な危険を見つけて対策する予防サービスです。病気の早期発見と同じで、早めの対策がご家族の平和を守ります。 今回も架空のご相談者からの法律相談をベースに、共有不動産の相続リスクと対策をご紹介します。ぜひご自身やご家族の状況と比べてみてください。 見えない相続の危険を見つける相続リスク診断 相談者 60代 女性 弁護士:本日はご...

「自宅が亡くなった父親名義のままになっている?」知っておきたい相続リスク診断⑫

2025年07月02日

前回、架空のご相談者との法律相談を見ていただきました。今回の相続トラブルのタネとは何でしょうか。早速見ていきましょう。 相続の二重発生と推定相続人の認知症リスク 弁護士:お父様名義の不動産についてですが、これは「お父様に関する相続問題」と「お母様の相続問題」という2つの相続の問題につながります。 相談者:どういうでしょうか? 弁護士:お父様の遺産である不動産について相続手続きが完了していない状態で、お母様が亡くなってしまうと、お父様に関する相続手続とお母様の相続手続きを行わなければならなくなります。 相談者:そうすると何が問題になるのでしょうか。 弁護士:たとえば、お父様の相続人はお母様とお子...

「自宅が亡くなった父親名義のままになっている?」知っておきたい相続リスク診断⑪

2025年06月30日

自宅の不動産は亡くなった人名義のままになってしまっている。お話を伺うと、このようなケースは多くあります。 手続を行わず、放置をしてしまっていると、後になって解決が難しい問題が発生することがあります。当事務所の「相続リスク診断」は、問題が起こる前に潜在的な危険を見つけて対策する予防サービスです。病気の早期発見と同じで、早めの対策がご家族の平和を守ります。 今回も架空のご相談者からの法律相談をベースにご紹介します。 ぜひご自身の状況と比べてみてください。 見えない相続の危険を見つける相続リスク診断 相談者 60代 女性 弁護士:本日はご相談にお越しいただき、ありがとうございます。どのようなことでお...

「相続人が多数になる場合の問題」知っておきたい相続リスク診断⑩

2025年06月28日

前回、架空のご相談者との法律相談を見ていただきました。今回の相続トラブルのタネとは何でしょうか。早速見ていきましょう。 相続人が多数になる場合の相続リスク 弁護士: 今回のケースでは、大きく分けて三つのリスク要因があります。 相談者: どのようなことでしょうか? 弁護士: まず、相続人が複数かつ複雑な状況にあることです。お母さんが亡くなった場合、相続人はあなたとお兄さんとお姉さん2人、そして亡くなった長兄のお子さん3人、と計7名がいることになります。 相談者: 甥や姪も、母の相続人になるんですか? 弁護士: はい。これを「代襲相続(だいしゅうそ...