「ご利用者からのハラスメントにはどう対応すればよい?②」
2024年02月05日
今回も「ご利用者・ご家族からのハラスメント」とその対策についてお話します。 現場でカスタマーハラスメントと思われる事態が生じたらどうすればいいかについてお話をします。 まず現場の方は速やかに責任者・事業所に報告を行うことが大切です。 被害を受けた場合にはなかなか言い出せない、ということもあるかと思いますが、次の被害を防ぐためにも報告を行いましょう。 事業所としては、職員の方からの報告を受けやすい体制を整えておくことも大切です。 報告を受けたら、まずは丁寧な聴き取りを行いましょう。 その際にはいつ、どこで、誰が、どのようなことをしたのか(されたのか)といったことを
「ご利用者からのハラスメントにはどう対応すればよい?①」
2024年02月03日
訪問介護・看護を行っていく上で、ご利用者やそのご家族と良好な関係を築いていくことは大切です。 ただ、ご利用者やそのご家族側から過度な要求があったり、明らかに不当な対応があった場合には、業務をスムーズに行う上でも、毅然とした対応をする必要があります。 今回は、ご相談をいただくことが多い、「ご利用者・ご家族からのハラスメント」とその対策についてお話します。 ご利用者からのハラスメント、いわゆるカスタマーハラスメントについては厚生労働省のホームページでは次のように記載されています。 顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、 当該要求を実現するための
「遺言を作る必要性をいまいち感じないけれど・・・③」
2024年02月02日
今回もご相談者が遺言を作る必要性を感じないと考えられる事情と、それでも遺言を作った方がよい理由についての続きです。 3つ目は「遺言を作るほど財産がないから」というものです。 自分には財産がないから、遺言を作らなくても大丈夫、とおっしゃる方も多いです。 果たして、本当にそうでしょうか? 「財産」という言葉の印象が影響しているのかもしれませんが、ご自身名義の預貯金口座、自分の名義のご自宅、保有している株式など、これらは全て遺産分割の対象となります。 ここで話し合いで決着がつかない場合には、家庭裁判所で調停をする必要があります。 &nb
「遺言を作る必要性をいまいち感じないけれど・・・②」
2024年01月30日
今回もご相談者が遺言を作る必要性を感じないと考えられる事情と、それでも遺言を作った方がよい理由をお話します。 2つ目は「うちの家族の仲がいいから」というものです 遺言は相続トラブルが起きそうな家庭、すなわち家族の仲が悪い家庭にのみ必要という誤解に基づくものです。 この点について詳しくお話をします。 まず遺産分割を行うためには、相続人が誰か、相続の対象となる財産が何か(亡くなった方名義の財産が何か)について、相続人の方が把握していることが大前提です。 つまり亡くなられた方の財産が何かがわからなければ、その調査からはじめなくてはなりません。 ご家族
「遺言を作る必要性をいまいち感じないけれど・・・①」
2024年01月05日
このコラムでは遺言の必要性・有用性についてお話をしてきました。 ただ、遺言を作る必要がないと考える方も多いかもしれません。 お話をきいていくと、その考えの根本にはいくつかの勘違いもあるようです。 今回から、この点についてお話をします。 まず1つ目は「家族が少ないから」という理由です。 例えばご夫婦だけのご家庭の場合が考えられます。 多くの方は、「他方の配偶者のみが相続人になる」と考えがちです。 例えば夫が亡くなったら妻だけが相続人になる、という考えです。 しかし、実際には亡くなられた配偶者のご兄弟や姉妹も相続人になります。 そのため、亡くなった方の
「エンディングノートってなに??②」
2023年12月28日
前回に引き続き、エンディングノートについてのお話です。 では、エンディングノートはどのように作ればよいのでしょうか。 まず、形式などが決められているわけではありませんから、どのようなノートでも問題はありません。 無料で配布している自治体もありますから、それを利用するのもよいと思います。 書き始めるのはどこからでもよいと思います。 財産の整理、セカンドライフでどこで暮らしたいか、終末医療が必要になった場合の対応、ご家族への思い・・・などご自身が気になるところから書いていくのが良いかと思います。 (重要な情報を記載することになりますから、注意は必要です
「エンディングノートってなに??①」
2023年12月20日
相続問題に関心がある方は、エンディングノートという言葉を耳にする機会も増えたのではないでしょうか? 今回はこのエンディングノートについてお話します。 まずエンディングノートは法律上の概念ではないので、正確な定義があるわけではありません。 一般的には、ご自身の財産の一覧、大きな病気を患った時の治療方針(例えば延命治療を望むかどうか)、お葬式の方式、そして家族へのメッセージなどを書いておく方が多いと思われます。 このエンディングノートは、遺言や任意後見契約などの前段階として、ご自身の整理のために作成するという役割も担って
「介護をしたことは、相続の場面でどのように評価されるの?③」
2023年12月15日
前回に引き続き、被相続人を介護したことが相続の場面でどのように評価されるかについてのお話です。 介護をしたこと自体が相続の場面で評価されづらいということをお話ししましたが、どのような対策が可能でしょうか。 まず被相続人の方に判断能力がある場合には、相続時に介護について評価されるような「遺言」を作成しておいてもらうことが考えられます。 前回までのお話は、あくまで遺言が存在しなかった場合についてのことなので、遺言がある場合にはそれに沿って相続がなされます。 そのため、予め遺言を残しておいてもらうことにより、トラブルが起きることを回避することが可能となります。 また
「介護をしたことは、相続の場面でどのように評価されるの?②」
2023年12月14日
前回に引き続き、被相続人を介護したことが相続の場面でどのように評価されるかについてお話します。 被相続人の方が遺言を残していない場合、法定相続分に基づき遺産が分割されます。 これはあくまで原則なので、相続人同士で話し合いをして法定相続分と異なる割合での分割を行う場合もあります。例えば、相続人全員で、介護をした相続人の割合を高くするという合意をすることが考えられます。 他方で、そのような合意ができない場合、介護をしたことが「被相続人の療養看護」に当たるとして、寄与分(民法904条の2)に基づく法定相続分の修正を行うことが考えられます。 ちょっと専門的な用語が並んでしまいまし
「介護をしたことは、相続の場面でどのように評価されるの?①」
2023年12月13日
ご高齢のご家族を、ご自宅で介護されている方も多いのではないでしょうか。ただお子さんが複数いる場合、介護の負担が特定の親族に集中してしまう場合もあります。 このような場合、相続の場面でどのように評価されるのでしょうか。 まず「相続の場面で有利に評価してほしい」と思って、介護をされる方はほぼいないと思われます。それは親族だからというような善意の気持ちでされる方が大半だからだと思います。 ただ介護自体は大変であり、精神的に負担も大きいかと思います。場合によっては経済的な負担も生じます。 そのような負担をしているのに、いざ相続の場面になったら、何もしていない親族と平等
「お金の管理に不安がある場合はどうすれば・・・??③」
今回も、ご自身のお金の管理に不安がある場合についてお話をします。 身近な親族の方がいらっしゃらない場合、自分が亡くなったあとのことについてどうすればよいかと不安になる方もいらっしゃいます。 例えば、賃貸物件や施設の利用料金の支払、荷物の引き取り・処分など亡くなられたあとにも様々な手続きや支払いが必要になります。 周りの方に負担をかけたくないとお考えの場合には、死後事務委任契約を締結しておくことが考えられます。 例えば、自分が亡くなったあとの葬儀、荷物の処理、病院代などの支払いなどを委任する契約を結んでおくことで、亡くなったあとでも依頼を受けた方が
「お金の管理に不安がある場合はどうすれば・・・??②」
2023年12月12日
前回に引き続き、今後のお金の管理に不安がある場合についてお話します。 今の時点では認知症にもかかってないし、自分でもいろいろ判断はできる。でも将来的に判断能力が低下したときに備えておきたいという方もいらっしゃいます。 その場合、任意後見契約を締結し、いざというときに信頼できる人に財産の管理などができるようにお願いしておくことが考えられます。 この契約を結んでおくことで、ご親族や専門家など事前に財産の管理をお願いしたい方を指定しておくことができます。 法定後見制度との一番の違いは、「後見人を自分で選ぶことができる」という点です。 法定後見