配偶者を亡くした70代が考える施設入居と相続対策~年代別に気を付ける相続対策④~
2025年08月22日
配偶者を亡くして一人になると、「この家で一人で暮らし続けられるだろうか」「老人ホームに入るなら家はどうしよう」という不安が生まれます。70代から施設入居を検討する際は、不動産の処分と今後の介護費用の対応、相続対策を同時に考える必要があります。 この記事のポイント 配偶者を亡くされた70代女性からの語相談 相談者 70代 女性 無職 弁護士: 本日はご相談いただき、ありがとうございます。お電話では老人ホームへの入居を検討されているとのことでしたが、詳しくお聞かせください。 相談者: 2年前に夫を亡くしまして、それからずっと一人で住んでいます。でも最近、家事も大変になってきて、何かあった時に一人で...
親の相続を経験した60代が考える「自分の相続準備」の重要性~年代別に気を付ける相続対策③~
2025年08月20日
親の相続を実際に経験すると、「今度は自分の番だ」と痛感します。60代になると、親の相続で学んだ教訓を活かして、子どもたちに同じ苦労をかけないよう準備を始める方が増えています。 この記事のポイント 親の相続を終えた60代からの相談 相談者 60代 男性 弁護士: 本日はご相談いただき、ありがとうございます。どのようなことでお悩みでしょうか? 相談者: 実は昨年、父の相続手続きが終わりました。母は10年前に亡くなっており、今回は父一人の相続でした。ただ手続きが思っていた以上に大変で、今度は自分の相続準備をしっかりしておきたいと思い、相談に伺いました。 弁護士: 実際に相続を経験されると、準備の大...
認知症の親を持つ50代が直面する相続問題と対策法~年代別に気を付ける相続対策②~
2025年08月18日
50代になるとご両親の認知症が現実的な問題となってきます。「もう遺言書は書けないの?」「成年後見人って何?」といった疑問が次々と浮かんできます。 この記事のポイント 親が認知症と診断された方からのご相談 相談者 50代 男性 会社員 弁護士: 本日はお忙しい中、ご相談にお越しいただきありがとうございます。 相談者: 実は先月、母が認知症と診断されました。父は2年前に亡くなっており、母は一人暮らしをしていたのですが、最近物忘れがひどくなって、近所の方からも心配されるようになりました。 弁護士: お母様の認知症の程度はいかがですか? 相談者: 医師からは「軽度から中等度」と言われています。日によっ...
親の介護をしながら相続準備をする40代が知っておくべき3つのポイント~年代別に気を付ける相続対策①~
2025年08月15日
親の介護が始まると、多くの方が「将来の相続はどうなるの?」という不安を抱えます。特に40代の方は、自分の子どもの教育費もかかる中で、親の介護費用の負担も重なり、経済的な心配が尽きません。今回も架空の法律相談を中心にこの問題にフォーカスしてみます。 この記事のポイント 親の介護と相続準備で悩む40代からの相談 相談者 40代 女性 会社員 弁護士: ご相談にお越しいただきありがとうございます。どのようなことでお困りでしょうか? 相談者: 父が要介護認定を受けて、これから介護が始まる予定です。母はすでに5年前に亡くなっており、父は一人暮らしをしています。介護のことを考えると、将来の相続についても心...
15年連れ添ったパートナーの突然の死、内縁の妻が直面した保険金請求の壁を解決」 解決事例より⑩
2025年08月13日
この記事のポイント 「夫婦同然に暮らしてきたのに、なぜこんなに大変なの…」 事実婚・内縁関係を選ぶ方も以前に比べて多くなりました。お互いを支え合い、家族として生活してきたとしても、パートナーの突然の死により、手続きで想像以上の壁が立ちはだかることがあります。 依頼者の状況 問題点の整理 法的な課題内縁関係を証明するための書類の不足により、保険会社が求める必要書類の取得が困難でした。法律婚であれば戸籍謄本で済むところが、内縁関係では別途の証明が必要となります。 手続き上の複雑さ保険会社から提示された書類リストを見ても、どこでどのように取得すればよいのか分からず、一人では対応しきれない...
「自分で作った遺言書で大丈夫?」相続トラブルを未然に防ぐために遺言書の見直しをした事例 解決事例より⑨
2025年08月11日
この記事のポイント ・自分で遺言書を作成することのリスク・抽象的な表現が招く家族間の争い・弁護士によるチェックの必要性と重要性 「これで本当に大丈夫でしょうか…」 ご家族への愛情から遺言書を作成される方は多くいらっしゃいます。しかし、その想いが確実に実現されるかどうかは遺言書の内容次第です。 依頼者の状況 問題点の整理 作成された遺言書を詳しく拝見したところ、以下の問題が見つかりました: 遺産を分割の表現が抽象的「適切に分割する」といった曖昧な表現のため、結局は相続人同士の協議が必要な状態でした。 配偶者が先に亡くなった場合への配慮不足配偶者の方が先に亡くなった場合、そ...
「対立している親族に全財産を渡す遺言書」依頼者の遺留分相当額を協議で確保した事例 解決事例より⑧
2025年08月08日
この記事のポイント 「不平等な内容」の遺言書が発見された 亡くなったお母さんの遺言書には「長男に全財産を相続させる」と書かれていました。遺産をどのように相続させるかについては、亡くなった方が決めることができます。そのため、時として「不平等」と感じる内容の遺言が残されることもあります。 依頼者の状況 問題点の整理 感情的な対立の深刻化介護問題や財産管理を巡る意見の違いで、きょうだい関係が完全に破綻状態。直接話し合うことはほぼ不可能 遺留分に関する知識不足依頼者は「遺留分」という権利があることを知りませんでした。 話し合いのきっかけがないきょうだいとの関係悪化により、話し合いができる状態ではありま...
「兄の借金で相続放棄を検討」が一転 過払い金が発生し、問題なく相続手続きを行った事例 解決事例より⑦
2025年08月06日
この記事のポイント ・消費者金融からの督促状で相続放棄を検討・ 専門調査で借金ゼロ・過払い金(不当利得返還請求権)が判明・ 早期相談が方針を分けた重要なケース 「亡くなった兄に借金があることが分かり相続放棄を検討」 お兄様を亡くされた直後、お兄様あてに届いていた消費者金融からの督促状。そこには高額な請求金額が記載されていました。相続は、故人との最後のつながりでもあります。しかし、時として予想もしない現実を突きつけられることもあるのです。 依頼者の状況 問題点の整理 借金の実態が不明確消費者金融からの請求書が複数届いており、借金の総額が分からない 相続放棄を行った場合相続放棄となればお兄さんの不...
「夫の甥姪がどこにいるか分からない…」子供のいない夫婦の相続で直面した難題を解決した方法 解決事例より⑥
2025年08月04日
この記事のポイント 「親族に連絡するなんて、考えただけで気が重くて…」 長年連れ添ったご主人を亡くし、深い悲しみの中にいるAさん。お子さんがいらっしゃらなかったため、相続人はAさんとご主人の兄弟になることは理解されていました。 しかし、いざ手続きを進めようとすると、思わぬ問題が浮上したのです。 依頼者の状況 問題点の整理 直面した課題 相続人の特定と所在確認の困難さ子供がいない夫婦の相続では、ご両親がすでに亡くなっている場合には配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。しかし兄弟姉妹もすでに亡くなっている場合は、その子供(甥・姪)が代襲相続人となるため、相続関係が複雑になります...
「親の財産管理、このままで大丈夫?」相続トラブルを防ぐ備え方 解決事例より⑤
2025年08月01日
この記事のポイント ・親族による財産管理の「使い込み疑惑」を事前に防止・ 財産管理契約と任意後見契約で将来の認知症リスクにも対応・ 公正証書遺言で相続トラブルも未然に防止 高齢になると、銀行での手続きや、財産の管理が大変になってきます。多くの方が信頼できる家族に財産管理をお願いしていますが、「本当にこれで大丈夫なのか」という不安を抱えていらっしゃるのが現実です。 ご依頼者の状況 問題点の整理 現在の課題 将来への不安 解決への道筋 Step1:現状の整理と将来設計依頼者と長男から詳しくお話を伺い、現在の財産管理状況と将来への希望を確認しました。 Step2:最適な契約の組み合わせをご提案今回の...
「母の預金口座から勝手にお金が引き出されていた」訴訟と調停手続を利用することで完全解決 解決事例より④
2025年07月30日
この記事のポイント 「母が亡くなってから、預金通帳を見て愕然としました…」 依頼者は母親を亡くされ、相続手続きを進める中で使途不明金の問題が発覚しました。管理をしていた、きょうだいに説明を求めても、具体的な回答は得られず、「自分で使った」という曖昧な説明のみ。 多くのご家族が直面する、この深刻な問題について、実際の解決事例をご紹介します。 ご依頼者者の状況 問題点の整理 家族の信頼関係の破綻親の預金管理を任せていた姉が、説明を拒否。依頼者としては裏切られたという気持ちになってしまいました。 使途不明金の存在多額の現金が引き出されているにも関わらず、その使い道が全く不明。相続財産の把...
「相手は話を聞かない人だから…」諦めかけた遺産分割、弁護士が介入することで無事に解決 解決事例より③
2025年07月28日
この記事のポイント 「弁護士に頼むなんて大げさだと思っていました…」 依頼者はお父様を亡くされ、きょうだい間での遺産分割について話し合おうとしていました。ところが相手からは一方的に遺産分割協議書への署名を求められ、困り果てていらっしゃいました。 相続は法律の問題である前に「家族の問題」。だからこそ感情が絡んで解決が難しくなることも多いのです。 ご依頼者の状況 問題点の整理 遺産の全容が不明どの銀行にいくらの預貯金があるのか、不動産の正確な価値も分からない 一方的な要求「長男が全て相続するのが当然」という考えをお持ちで、依頼者だけでは話し合いにならない状態 手続きへの不安「本当に話し...