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中小企業の事業承継こそ弁護士に相談を!③

2025年06月04日

事業承継を成功させるための実践ガイド 前回までは事業承継の大切さと失敗例についてお話ししてきました。最終回の今回は「具体的に何をすればいいのか」をお伝えします。 本当に大事なことを見極めましょう 今の時点での「リスク」を知ることが第一歩 税金対策も大切ですが、まず何より大切なのは、今どんな問題があるのかを明確にして、ご自身が把握することです。そのためには、現状をきちんと把握しましょう。ポイントをいくつか挙げると次のとおりです。 ・誰が実際に会社の決定をしているか→ 何人かで会社を立ち上げた場合、  ・株式は誰が持っているか→ 株式を誰が、どれくらいの割合で持っているかを即答できる方は、意外と多...

中小企業の事業承継こそ弁護士に相談を!②

2025年06月02日

事業承継は税金対策だけだと思っていませんか? 事業承継と聞くと、「税金(相続税)対策」と考えてしまう方が多いのではないでしょうか。税金対策も非常に重要ですが、それだけでは不十分な場合も多くあります。今回は一例として、特に大きな問題を引き起こす可能性のある「株式の分散」を取り上げます。 事業承継で気をつけるのは税金だけではない 株式の分散による経営権の弱体化 当事務所は相続案件を多く手掛けていますが、それと関連して事業承継が結果的に失敗してしまったケースをよく見かけます。中でも多いのが「株式の分散」です。例えば、創業者が事業承継のために自分の株式を少しずつ配偶者や子供たちに均等に分配するケースが...

中小企業の事業承継こそ弁護士に相談を!①

2025年05月28日

事業承継の準備、始めていますか?? 「事業承継」聞いたことがある、という経営者の方はたくさんいらっしゃいます。ただ、事業承継のために行動ができている方は少ないのではないでしょうか?日本の企業数の99.7%を占めると言われる中小企業。その多くが、「家族経営」の「同族会社」です。の中小企業こそ、事業承継を早めに取り組む必要があります。 中小企業・同族会社の事業承継問題が深刻化している背景 事業承継が上手くいかず、廃業する会社が増えているこんなニュースを耳にしたことはないでしょうか?事業承継を簡単に言えば、創業者の社長から、その経営権や会社資産・培ってきた技術・ノウハウなどを子どもに引き継ぐことを指...

「高齢の親から通帳を管理してほしい、と言われたけど・・・②」

2025年05月22日

はじめに 高齢のお父さんお母さんの口座を管理していた場合に、相続開始後にトラブルに巻き込まれてしまったケースをご紹介しました。今回、考えられる事前の対応方法についてお話します。 ご本人の状態を診断してもらう まず通帳を預かる時点で、ご両親自身が認知症をり患しているか、り患している場合にはどの程度の判断能力が残っているのかについて、かかりつけの医師に診断をしてもらうことをお勧めします。 認知症などにり患していない場合 ご本人との間で通帳管理の覚書などを取り交わしておくことや、あるいは「財産管理契約」を取り交わしておくことが考えられます。いずれもどのように財産を管理するのか、どのような支出が許され...

「高齢の親から通帳を管理してほしい、と言われたけど・・・①」

2025年05月15日

はじめに 高齢のお父さんお母さんから、口座を管理してほしいと言われる方も多くいらっしゃるかと思います。銀行やATMまで行けないから通帳とカードを渡されて、これで下ろしてきてほしい、というように一時的に預かる場合や、長期間にわたって管理を任される場合など様々です。 ただ、このようなケースでは気をつけなければいけない点がいくつかあります。今回は、高齢の親から通帳などを管理してほしい、と言われた場合に気をつけるべきポイントをお伝えします。 ご両親が認知症を患っている場合 まず、ご両親が認知症を患っている場合には、注意が必要です。認知症と一口に言っても、その症状や進行は人それぞれです。そのため全く問題...

「相続トラブルを子ども世代に残したくない・・・②」

2025年05月08日

今回は相続トラブルを子どもの世代に残さないためにできることについて、お話をします。 自分が相続人となっている相続手続を終わらせる まずご自身が相続人となっている相続手続(遺産分割)を終わらせることが考えられます。相続手続・遺産分割が終わってない、という事態があまり考えられないかもしれません。ただ、次のような事情から遺産分割協議を行っていないというケースもあります。例えば父親が亡くなった際、母親が遺産を相続すればよいと思って、何もしていなかった、また相続人間で話し合いの機会はあったが、決裂してしまって、それきりになっている、ということもあります。 相続手続・遺産分割が終わっていなければ、その地位...

「相続トラブルを子ども世代に残したくない・・・①」

2025年05月01日

はじめに ご自身が相続トラブルに巻き込まれるのは避けたい、と思うのはもちろん、それを「子どもの世代に残したくない」と考えられる方も多くいらっしゃいます。 今回は相続トラブルが子どもの世代に残ってしまう場合と、それへの対応についてお話します。 遺産分割が終わっていない場合 まず問題となりやすいのが、自分の親の遺産分割が終わっていないというケースです。例えば次のようなケースを見てみます  ・被相続人 Aさん / 配偶者はすでに他界 ・法定相続人はいずれもAさんの子: Bさん Cさん Dさん ・Aさんの遺産分割はまだ終わっていない 遺産分割協議がこじれてしまい、何年も経ってしまった間にBさんが亡くな...

当事務所で新しく追加した相続手続サポートメニューを紹介します

2025年04月01日

当事務所は相続案件について注力をしております。その一環として、ご相談者のニーズに応えるべく弁護士によるサポートメニューを追加しました。 今回は、新しく追加したサポートについてご説明します。 遺言無効確認調査・請求サポート 亡くなった方が遺言を残していた場合、それがご本人の意思の下に作成されたのか疑義が残る場合があります。そのような場合に、ご本人の医療記録などを取り寄せ、遺言がご本人の意思の下に作成されたのかについて調査を行います。 調査の結果、遺言が無効である可能性がある場合には、遺言無効確認請求などのサポートを行います(この場合、手数料を着手金に充当いたします)。 使途不明金調査サポート 亡...

「この遺言書を本人が作成できたとは思えない・・・③」

2024年02月18日

遺言者の能力の観点から遺言の有効性のお話をしてきました。 今回は、遺言の有効性を担保するためにできることについて、一例をお話をします。 ご高齢の方が遺言書を作成していた場合、遺言者本人の能力について争いになる場合があることはお話しました。 このようなトラブルを防ぐため、診断書を取っておくことが考えられます。具体的には認知症の有無、検査結果、認知症にり患している場合にはその程度などを記載した診断書を作成してもらうことが考えられます。   法定後見制度を利用するために家庭裁判所に提出する診断書には、上記のような項目があります。こちらを利用することも有効です。 「こんな内容の遺言を残す

「この遺言書を本人が作成できたとは思えない・・・②」

2024年02月13日

前回に引き続き、遺言の「有効性」についてお話をします。 今回はよくご相談をいただくケースについて、いくつかお話します。 ご高齢になってから、相続のことを考えて遺言を作成される方が多いかと考えます。 この遺言作成時に、遺言者が「認知症」を患っていた場合でも遺言は有効なのでしょうか。   大事になってくるのは、その当時、遺言者の患っていた認知症の進行度合いがどの程度のもので、それが遺言者の意思・判断にどのような影響を与えていたのかという点です。   そのため「当時、認知症だったから遺言は全部無効だ」というような単純化はできないと考えられます。    

「この遺言書を本人が作成できたとは思えない・・・①」

2024年02月06日

被相続人(亡くなった方)が遺言を作成していた場合、この遺言について、「亡くなった本人が作ったものではないのでは?」、「本人はこの当時認知症だったから、到底作ることができたとは思えない」というように疑いがもたれることがあります。   今回は遺言の「有効性」についてお話をします。 まず、遺言作成の必要な能力についてみていきます。 まず遺言は「15歳」に達したものは作成できるとされています(民法961条)。 一般的な契約は成人年齢に達しないとできないことから、ここが大きく異なります。   この遺言の作成に必要な能力とはなんでしょうか?   一般的には、遺言の内容を理解し

弁護士費用を一部改訂しました(2024.02.05)

当事務所の相続に関する費用表を一部改訂しました(詳細はこちら)。 新しく追加したサポートについてご説明します。   遺言無効確認調査・請求サポート 亡くなった方が遺言を残していた場合、それがご本人の意思の下に作成されたのか疑義が残る場合があります。そのような場合に、ご本人の医療記録などを取り寄せ、遺言がご本人の意思の下に作成されたのかについて調査を行います。 調査の結果、遺言が無効である可能性がある場合には、遺言無効確認請求などのサポートを行います(この場合、手数料を着手金に充当いたします)   使途不明金調査サポート 亡くなった方名義の預金から、生前に多額の預金が引き出さ