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成年後見人などはどのような人が就任するのか

2015年03月01日

成年後見(法定後見制度)を利用しようとする方が気になるのは、実際に成年後見人などにはどのような人が就任するのか、という点です。成年後見などの開始の審判を家庭裁判所に申し立てる際には、後見人などの候補者を裁判所に伝えることが出来ます。 例えば、夫が認知症になってしまったので妻が自分を後見人の候補者として申立をするような場合です。 ここで、成年後見人などになるために、特殊な資格は要求されていません。 なお、法律上は、①未成年者 ②家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人 ③破産者(復権をしていない人)、④被後見人に対して訴訟をし、またはした者、並びにその配偶者及び直系血族、⑤行方の知れな

成年後見人は何が出来るのか 

実際に成年後見人が選任された場合、成年後見人はどのような活動をするのでしょうか。 成年後見人が行う活動は、本人の財産管理と身上監護とされています。成年後見人には本人の財産に関する包括的な管理権と、財産に関する法律行為に関する包括的な代理権が与えられています。 まず、財産管理のためには本人の財産を把握する必要があります。そのため、本人、申立人その他親族から聴き取りなどを行い、本人の財産を把握し、預金通帳などの引き渡しを受けて管理をします。 その際、ご本人名義の預貯金があることが大半なので、各金融機関に成年後見人の届出を行います(金融機関ごとに形式が異なります)それと同様に、本人の有している財産に

保佐・補助について

保佐、補助制度については、ご存知でしょうか。 法定後見制度は成年後見(未成年後見)だけでなく、保佐、補助といったように本人の判断能力に応じて、適切なサポートが出来るように複数の制度が用意されています。 まず、保佐制度の概要について見ていきましょう。保佐人には重要な財産行為についての、同意権が与えられています。これは、一定の重要な財産上の行為(不動産の売買や、借財や保証行為など)を被保佐人が行うには、保佐人の同意が必要とされており、その同意を得ない場合には保佐人による取り消しが可能ということを意味しています。 また、保佐人には必要に応じて特定の法律行為について代理権を授与されることもあります(代

弁護士に相談するタイミングについて

弁護士にどの段階で相談するのがいいか、と聞かれることが多くあります(これは成年後見に関係する法律相談だけではないと思いますが)。 結論から言えば、不安を感じた時点でご相談いただいた方が良いと考えます。そうはいっても、特に高齢の方は弁護士に相談すること自体をためらわれる方が多いと感じますし、「法律相談をすると、そのまま弁護士に依頼をしなければいけないのではないかと思っていた」といった誤解をされている方もいらっしゃいます。 しかし、法律相談だけで問題が解決する場合もありますし、1回の相談では解決しなくても、継続的なアドバイスを受けることで解決することもあります。また、法律相談をしている中で、相談者