Column

コラム

執筆時点での法令などを参考に記載しております。予めご了承ください。
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法務局での遺言の保管制度が始まります!

2020年01月20日

ご自身で作った遺言を法務局が保管してくれる制度が今年の7月から始まることはご存知でしょうか? 今までは、ご自身で作成した遺言(自筆証書遺言)は、ご自身で保管方法を決めなければなりませんでした。 遺言は財産のことが書かれた書類ですから、簡単に人目に触れるところには置いておけないし、かといって、残された家族が誰も見つけられなければ意味がない・・・ということで、どこにしまおうか迷われることも多かったかと思います。 また万が一のことがあった後に、残されたご家族が「そういえば、遺言を書いたって言ってたけど、どこに保管したのか聞きそびれてしまった!」という場合には、ご家族が家の中や貸金庫など、「考え

8050問題、ご存じですか??

2020年01月14日

 一般的に、「50代のお子さんの生活を、80代のご両親が面倒を見ている、支えている事態」を指します。  様々なご事情があるので、一概に問題と決めつけてしまうことは良くないと思ってはいるのですが、業務を行う中で8050問題に関連して、緊急対応が必要という場面にも遭遇したことが何度もあります。  今回はそのあたりを紹介いたします。  例えば、80代のご両親が、50代のお子さんの面倒を見ている家庭があったとします。  お子さんは精神的な疾患をもっている可能性もあり、就業をしておらず、社会との関わりも長年ありません(必要なことは、ご両親が代わって対応してきました)。  そのため、お子さん

遺産分割協議書にハンコを押すときは、慎重に!

2020年01月09日

 「遺産分割協議書にハンコを押してしまったんだけれども、やはり内容に納得できない」、「もう一回話し合いをやり直したい」。  そういったご相談を受けることもあります。  遺産分割協議書に目を通し、ご自身で署名・押印をした場合、それを撤回することは非常に困難です。  ご自身で協議書に押印した場合、その協議書自体が有効に成立したものと推定されます。  そのため、協議書の成立を争う人が、それを法律上覆せる事実を証明しなくてはなりません(例えば、錯誤無効(民法95条)、詐欺・強迫による取消(民法96条)が考えられます)。  ただ、内容について納得ができなくなった、というだけでは遺産分割協議をやり直

帰省をきっかけに、後見制度の利用を検討される方も多くいらっしゃいます

2020年01月08日

 年末年始に帰省をされた方も多いのではないでしょうか?  実は、この時期に「後見」に関するご相談を多くいただきます。  それは、帰省された際に、ご両親の様子が以前と変わっていたので、不安になった、ということが理由に挙げられると思います。  帰省された際に、次のようなことが気になったら、ご両親と後見制度の利用などについて検討を始めてみてもよいかもしれません。 ご両親が日時が分からなくなっている、以前できたことが全くできなくなってしまっている  加齢やご病気などの影響で、認知能力が低下している可能性があります。気になる場合には、専門医の診断を受けることが大切です。 実家に不必要と思われる

ご依頼者にお願いしているアンケートの結果について

2020年01月07日

当事務所は2013年8月に開所して以来、多数のご相談・ご依頼をいただいてきました。 案件対応が終了した方に、案件の結果についての満足度、弁護士・事務局の対応についての満足度などに関する「アンケート」のご協力をお願いしてきました。   2019年12月末時点で、ご依頼いただいた案件の結果に「満足した」と回答いただいた方の割合は、 97パーセントになりました。 ※回収したアンケート中、有効回答数106件。そのうち案件の結果に、「満足した」と回答した方の割合を指します。     ご依頼いただいた方皆様にご満足いただけるよう、今年も弁護士・事務職員一丸となって、精いっぱい

遺言作成は何から始めればよいの?

2019年10月30日

2018年に「公正証書遺言」は11万0471件作成されたそうです(全国公証人連合会HPより)。 この公正証書遺言ですが、2013年からの統計を見るだけでも、毎年10万件から11万件が作成されています。 ですが、高齢者の方の数や毎年亡くなる方の数からすれば、作成している方は圧倒的に少ないと思われます。  次に、「自筆証書遺言」ですが、ご自身だけで作成、保管をすることができます。そのため、現時点でどれくらいの方が作成されているのかを正確に集計することは困難です。  ただ、亡くなった方が自筆証書遺言を作成していた場合に、家庭裁判所で行う「遺言書の検認」手続の件数は、2018年は「1万7487件」

亡くなった方の預貯金が、使い込まれた!?

2019年08月27日

 ここ数年、亡くなった方の「預貯金の行方」が相続手続きの際に問題になるケースが増えています。この問題については、以前もこのコラムに書きましたが、ご相談いただくことが多いので、改めて掲載します。  例えば、こういったケースです。  お父さんが亡くなった後で、次女がお母さんの預貯金の通帳を見てみたら、多額の引き出しがされていると言うことに気がつきます。  そこで、お父さんと同居していた長女に話を聞いてみたら、要領を得ない回答しかされなかったために、トラブルになってしまった、という場合が考えられます。  このような「使途不明金」の問題については、家庭裁判所の遺産分割協議では解決できないこと

お盆の帰省と相続

2019年08月24日

8月も終盤にさしかかりました。 お盆に帰省されたり、ご両親と会ったりした方も多いのではないでしょうか。 毎年、帰省などをきっかけに、ご自身の相続について考え始める方が多いという印象です。 「相続対策」というと大げさに聞こえるかもしれません。 ですが、例えば、 ①ご自身の財産はどういったものがあるのか、整理する ②その財産をどなたに、どのように渡したいかを考える と言ったことも、相続対策の始まりになります。 このようなことを考え始めることで、ご自身でも気がついていなかった「想い」が出てきた、と言う方も多くいらっしゃいます。 ただ、そのような希望をかなえようとしても、どのようなことか

相続手続きは簡単?2

2019年05月23日

 前回、相続が発生した場合の預貯金などの手続についてお話ししました。  この相続手続きについてですが、「弁護士による相続手続の代行」が必要な方として「高齢者」の方を挙げることができます。  例えば、高齢のお父さんとお母さんが二人で暮らしており、お子さんが他県に住んでいるというケースです。  お父さんが亡くなり、お母さんが全て相続することでお子さんと合意しました。ただ、お子さんは忙しくてなかなか時間がとれず、手続きができません。  お母さんの方が動こうにも具合が悪いこともあり、自分だけでは手続ができないということもあります。  このような場合には、遺産分割について合意をされていれば、相続手

相続の手続きは簡単??

2019年05月19日

 相続が発生した場合、亡くなった方名義の預貯金を引き出すために金融機関で手続きをしたり、また証券会社や保険会社と連絡をする必要があります。また、不動産などがある場合には、その名義を変更したりする必要があります。  この手続きは一見、簡単そうに見えますが、手間がかかる場合があります。  まず、亡くなった方が生まれてから亡くなるまでの「戸籍」を揃える必要があります。  この作業も慣れていない方にとっては、大変です。  また銀行などの金融機関の場合、窓口でしか手続きができないことも多くあります。  その場合には、平日にご自身で窓口に行き、手続きをする必要がありますので、これが負担になる方もいらっ

争わない相続の実現に向けて

2019年05月12日

 相続が発生したことで、親族の中で争いが生じてしまうことも多くあります(「争続」と言われてしまう所以です) 。  最高裁判所が発表している統計資料によれば、遺産分割調停は近年増加傾向にあり、審理期間も長くなる傾向にあるそうです。  遺産をどのように分けるのか、土地などのの遺産の評価に時間がかかる場合もありますが、多くは「相続人同士の感情的な対立」が原因になっていることも多いのではないでしょうか。  長年の感情の軋轢が、遺産分割をきっかけにしてトラブルに発展してしまうことも多くあります。  ただ、このような事態が生じてしまうことは、被相続人の方も望んでおられないと思います。  争わ

大型連休や長期休みの後には・・・

2019年05月07日

 今年のGWは10連休だったという方も多いのではないでしょうか。  大型連休や長期休みの際には、実家に帰省される方も多いと思います。  その時に、ご両親とお話をしたり、普段はなかなか分からなかったご両親の様子を見て、「相続」について検討をされるという方も多くいらっしゃいます。  このコラムでも何度も取り扱っていますが、一般的に相続対策は早ければ早いほど多くの手段を選ぶことができます。 反対に、ご両親が病気などで判断能力を失ってしまった場合(例えば、認知症が進んでしまいお話ができない、あるいは病気で意識不明になってしまう場合)には、相続対策という意味では取れる手段はほぼありません。  当事務