「まだ先の話」と思っているうちに──60代から考える、自分の相続のこと
2026年01月21日
ふとした日常の中でよぎる、ぼんやりした不安 60代~70代になると、・自分の体力や判断力が、今と同じとは限らないかもしれない・配偶者や子どもに、迷惑をかけたくない・財産のことを、きちんと整理できているだろうか そんな思いが、ふと頭をよぎる、と言ったお話を聞くことがあります。ただ差し迫った問題があるわけではなく、日々の生活も落ち着いている。だからこそ、「今すぐ考えなくてもいいか」と、そのままになりがちです。 なぜ「自分の相続対策」は後回しになりやすいのか ニュースなどを見ていて、相続対策をすることは大事だと分かっている方が大半だと思います。ただご自身の相続については、「縁起でもない話をするのは気...
2026年 親の相続について考えてみるという選択
2026年01月14日
お正月も過ぎると、少しだけ気持ちが整い、「今年はどんな一年にしようか」と静かに考える時間が生まれます。 その中で、ふと頭をよぎるのが親のこと、家のこと、将来のことではないでしょうか。 実家に帰省したことで、親御さんの状態を見た多くの方が、こうした「ぼんやりした不安」を抱えながら、忙しい日常の中で、そのままにしています。 なぜ相続の不安は、後回しにされがちなのか 相続や遺言、後見の話題は、どうしても「縁起でもない」「まだ早い」と感じられがちです。 といった理由で、考えること自体を避けてしまう方も少なくありません。 けれど実際には、何も決めなくても時間だけが過ぎていくことが、一番しんどい結果につな...
【横浜市泉区】地域住民の方向けに成年後見・相続セミナーを開催しました
2026年01月04日
2025年12月11日・16日の2日間に渡り、横浜市泉区の踊場地域ケアプラザにて、地域住民の方向けに「成年後見制度と相続の基礎」に関するセミナーを実施しました。延べ20名以上の方にご参加いただきました。 踊場地域ケアプラザとは10年以上前からお付き合いがあり、定期的に成年後見や相続に関するセミナーを実施してきました。背景にあるのは、「いざという時に、何も分からず困ってしまう地域の方を一人でも減らしたい」という思いです。 超高齢化社会を迎える中、「相続の準備を何もしていない」、「判断能力が低下した場合のことを考えたことがない」といった声を耳にすることが少なくありません。 本セミナーは、まずは知る...
「10か月」という数字が教えてくれること~早期対応・相談が紛争を防ぐ理由~
2025年12月29日
当事務所の案件処理期間から見えてくる現実 当事務所では案件の着手から終了までにかかった期間について、集計を取っています(委任契約締結日から終了報告日まで)その処理期間から見えてきた事実についてお伝えします。 案件処理期間について 案件処理期間(2024年12月末時まで)遺産分割協議・調停案件:中央値10か月 弁護士にご相談いただく案件は、紛争が激化している案件がほとんどです。そのため、この「10か月」の間はずっと紛争を抱えて過ごすことになるのです(中央値なので、もっと時間がかかるケースもあります) 時間だけではない負担 紛争を抱えてしまった場合、多くの方は次のような負担が生じます 精神的な負担...
「今は困らない」が将来のトラブルに!遺産分割を先送りする危険性②
2025年12月15日
前回は架空の法律相談を通じて、遺産分割を先送りすることに危険性があることをお伝えしました。今回は具体的にどのようなことが起きうるのか、それを防ぐためにどのようなことをすべきなのかについてお話しします。 預貯金を巡るトラブル 弁護士: まず、金融機関との関係では、亡くなった方名義のまま預貯金口座を利用すること自体が、問題があります。ただ、それ以上にお父様名義の預貯金を制約なく使ってしまう方が、後々トラブルになります。 相談者:それはどういったトラブルでしょうか? 弁護士:お母様が介護施設に入所する必要が生じるなど、大きなお金が必要になった時点で、お父様の預貯金が0になっている、と言われ...
「今は困らない」が将来のトラブルに!遺産分割を先送りする危険性①
2025年12月08日
この記事のポイント ご両親の片方が亡くなった場合、配偶者に全部を相続させる、というケースは多くみられます。例えばお父さんが亡くなった場合に、残されたお母さんがすべてを相続する、という場合が当てはまります。一見、問題がなさそうに見えますが、実はトラブルの原因になることもあります。今回も架空の法律相談を通じて、相続に潜むトラブルについて解説します。 「母に全部相続させれば良い」その判断が招く落とし穴 見えない相続の危険を見つける相続リスク診断 相談者 50代 女性 弁護士: 本日はご相談にお越しいただきありがとうございます。相続に関するご相談ということですが、どのような状況でしょうか? ...
「母が全部相続するから大丈夫」その考えが招く相続トラブル②
2025年11月10日
前回は架空の法律相談を基に、遺産分割協議を先延ばしにしてしまうことのリスクについて触れました。今回は具体的にどのようなトラブルが生じうるのかを見ていきます。 遺産分割を先送りすることの隠れたリスク 弁護士: まず最も大きな問題は、二次相続、つまりお母様が亡くなったときの相続です。今回の遺産分割協議を行わないと、将来的に大きなトラブルになる可能性があります。 相談者: どういうことですか?母が亡くなったときに、私たち兄弟で分ければいいのではないですか? 弁護士: 実は、そう単純ではありません。遺産分割の問題においてご両親が亡くなったあとに、遺産の分け方を巡ってトラブ...
「母が全部相続するから大丈夫」その考えが招く相続トラブル①
2025年11月06日
この記事のポイント 見えない相続の危険を見つける相続リスク診断 相談者 60代 男性 父の相続後、遺産分割は必要ないと思っていた 弁護士: 本日は相続に関するご相談ということでお越しいただき、ありがとうございます。まずはどのような状況か、お聞かせいただけますか? 相談者: 実は先月、父が亡くなりました。母はまだ健在で元気にしています。相続の手続きについて調べていたのですが、結局母が全部引き継げばいいので、特に遺産分割協議は必要ないのではないかと思っているんです。 弁護士: お父様のご逝去、お悔やみ申し上げます。お母様がご健在ということですね。ご家族構成について、も...
相続人が行方不明や認知症で話し合いができない?② ~相続手続が進まない危機を回避する方法~
2025年11月03日
前回は架空の法律相談を通じて、相続人が行方不明や認知症になって話し合いができない場合のリスクについて触れてきました。今回はどのような不利益が生じるのか、その場合の解決策や今からできる対策を考えていきましょう。 行方不明の相続人がいる場合の重大なリスク 弁護士: ご心配されているとおり、現在の状況には複数の相続リスクが潜んでいます。まず最も深刻な問題は、ご長男が行方不明という点です。 相談者: やはり問題になりますか? 弁護士: はい。相続が発生すると、遺産分割協議、つまり相続人全員で遺産の分け方を決める話し合いが必要になります。しかし、相続人の一人でも欠けていると...
相続人が行方不明や認知症で話し合いができない?① ~相続手続が進まない危機を回避する方法~
2025年10月29日
この記事のポイント 相続手続の落とし穴 相談者 60代 女性 弁護士: 本日はご相談にお越しいただきありがとうございます。相続に関するご心配があるとのことですが、どのような状況でしょうか? 相談者: 実は父のことで相談に来ました。父は今年で90歳になりまして。まだ元気に一人暮らしをしていますが、そろそろ相続のことを考えないといけないと思いまして。 弁護士: ご家族構成について教えていただけますか? 相談者: 母は10年前に亡くなっています。父の子は、私を含めて3人いるのですが、実はちょっと複雑な状況でして…一番上の兄(長男)は20年以上前から...
遺産分割調停は自分でもできる?弁護士に依頼した方がいい理由とは?②
2025年10月27日
前回、架空のご相談者との法律相談を見ていただきました。相談者が気づいていない複数の相続トラブルのタネが隠れています。どんな問題点があるか見ていきましょう。 弁護士に依頼すべき理由と解決への道筋 調停を自分で行うリスク 弁護士:まず遺産分割調停においては、ご自身で主張を行い、それを証明する資料を提出する必要があります。介護を行ってきたことや使途不明金があることなども、それを法的に整理して、主張していく必要があります。相談者: そうなんですね。遺産分割調停は調停委員の方が間に入ってくれるので、なんとかなるのかと思っていました。 弁護士: 調停委員はあくまで中立の立場で話し合いを整理し、解決に向けて...
遺産分割調停は自分でもできる?弁護士に依頼した方がいい理由とは?①
2025年10月25日
この記事のポイント 遺産分割調停は自分でできる? 相談者 60代 女性 弁護士: 本日はご相談いただきありがとうございます。遺産分割に関するご相談ということですが、詳しい状況をお聞かせいただけますか? 相談者: はい、実は父が3ヶ月前に亡くなりまして、相続のことで悩んでいます。相続人は母と私、それから弟の3人です。遺産分割の話し合いがうまくいかなくて、遺産分割調停を考えているんです。 弁護士: 遺産分割協議が難航しているということですね。具体的にはどのような点で対立されていますか? 相談者: 弟が父の遺産の大半は自分がもらうべきだと主張していまして。私としては、母がこれから生活していくためにも...