- 成年後見制度
- 保佐
- 補助
父の判断能力が衰えてきたので、成年後見制度を利用しようと思っています。ですが、父自身が成年後見制度の利用について、反対しているのですが、このような場合でも成年後見制度を利用することはできますか?
成年後見開始の審判申立には、成年被後見人となるべき人の同意は必要とされていません。保佐開始の審判申立についても同様です。 他方で補助開始の審判申立については、本人の同意が必要とされており(民法15条2項)、また保佐人に代理権を付与する審判を行うには、本人の同意が必要とされています(民法876条の4第2項)。 そのため、お父さんについて成年後見制度の利用が必要であれば、お父さんの判断能力の程度によっては、本人の同意がなくても、制度自体は利用できる可能性があります。 もっとも、本人自身の意思を尊重する必要もありますし、また本人が成年後見制度についてよく知らなかったり、誤解をしている場合がありえますので、まずは本人と話し合いを行い、必要に応じて弁護士から制度について説明を受けるなどして、本人の理解を求めることも重要です。
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母が認知症と診断されました。主治医の先生からは、「補助相当」と言われています。補助開始の審判の申立てをしようと思いますが、気をつけることはありますか?
精神上の障害により、事理弁識能力が不十分である人について、家庭裁判所は申し立てに基づいて補助開始審判をすることができます(民法15条)。 まず、被補助人(本人)以外の申立権者からの申立ての場合には、補助開始の審判をするには本人の同意が必要です。 そのため、申立ての時点において、本人と協議をした上で、予め同意をとっておくべきでしょう。 また、補助開始の審判は同意を要する行為を定める審判または代理権を付与する審判と同時にしなくてはならないとされています。 もっとも、この同意権は民法13条1項に定める行為の一部に限定され、また代理権も、包括的な代理権は認められず、個別具体的に定められます。 そのため、同意権、代理権の範囲についても、予め本人と協議をしておくことも必要と考えられます。