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内縁の夫(妻)には相続権はありますか?
事実婚である内縁関係には、現状では相続権は認められていません。したがって、内縁の妻は、内縁の夫の遺産に関して相続権はありません。 例えば同居していた内縁の夫が亡くなり、その夫の親族から建物の明け渡しを求められた場合には、原則として応じる必要があります。 この場合①内縁の夫から、自身の死後は、建物の無償使用することを許すという黙示の合意があった(参照:名古屋地方裁判所平成23年2月25日/判例時報2118号66頁など)や、②夫の親族の主張は権利の濫用として許されない(参照:東京地方裁判所平成9年10月3日/判例タイムズ980号176頁)と反論して、自宅に居住し続けることを主張することも考えられますが、争いになることは避けられません。 これを防ぐためには、内縁のパートナーにに「自宅を内縁の夫(妻)に遺贈する」といった内容の遺言を作成しておいてもらうことが考えられます。
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被相続人の遺言が不平等で納得ができません。何かできることはありますか?
遺留分が認められる場合には、遺留分侵害額請求を行うことが可能です。 兄弟姉妹以外の法定相続人には、遺留分と言って、相続財産に対して一定の割合で権利が保障されています。 そのため、上記請求を行い、一定割合で相続財産を確保することが考えられます。 なお同請求は、権利者が相続の開始と遺留分を侵害する贈与または遺贈ががあったことを知った時から1年、相続開始から10年経過するとできなくなるので、注意が必要です。
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遺言書を作る際には何を準備すればよいですか
まず事前にご自身が所有している土地・建物や、預貯金、株式などの有価証券といった財産がどれだけあるのか確認しておく必要があります。 このとき、借入れなどのマイナスの財産も忘れずに確認してください。 次に、その財産を相続する権利のある人(推定相続人)が誰になるのかを明らかにしておく必要があります。 ご自身が生まれてから現在までの戸籍を取り寄せるなどして、ご自身の法定相続人が誰になるのかを確認しましょう。 その上で、ご自身の財産を、誰に、どのように渡したいのかを検討する必要があります。
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公正証書遺言作成には、証人が2人必要と聞きましたが、どのような人にお願いすればいいのでしょうか?
法律上の欠格事由がない方であればだれでも大丈夫です。 証人には未成年者、推定相続人、受遺者、これらの配偶者・直系血族、公証人の配偶者、四親等以内の親族、書記、使用人はなれないとされています(民法974条参照)。 そのため、これら以外の人から選ぶ必要があります。 承認は遺言の内容を把握できることから、信用できる人を選ぶ必要があります。 当事務所では、遺言作成のサポートをしている場合には、ご希望に応じて弁護士が証人として遺言作成の場面に立ち会っております。
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自分が亡くなったら、法定相続人以外の人に全て財産を渡したいと思います。可能でしょうか?
財産を譲りたい人に、自分の財産を全て遺贈する、という趣旨の遺言を残しておくことで、実現可能です。 もっとも、法定相続人があなたの意図を汲み取れなかった場合、財産を受け取った方に対して「遺留分侵害額請求権」を行使するなどして、トラブルが生じることも考えられます。 トラブルが起きやすい場面ですので、まずは弁護士に相談をした上で、遺言の内容を決めることをお勧めします。
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亡くなった父は公正証書遺言を残していました。内容は私の兄に全てを相続させるというものでした。父の法定相続人は、私と私の兄だけなのですが、この場合には私は何ももらえないのでしょうか?
民法では被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に「遺留分」を設けています(民法1042条以下)。 そのため、遺留分が侵害されている場合、お兄さんに対して、遺留分侵害額請求権を行使することができます。 その上で、お兄さんと話し合いがつけば問題はありませんが、話し合いがつかない場合には、調停を申し立てたり、訴訟を提起するなどして裁判所において解決を図ることが考えられます。
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母の遺品を整理していたら「遺言書」と書かれ、封がされた封筒が見つかりました。この場合どうすればいいでしょうか?
速やかに検認の請求をしましょう。 相続人が遺言(公正証書遺言を除く。)を発見した場合、速やかに家庭裁判所に提出し、検認を請求しなくてはいけないとされています(民法1004条1項)。 また封印がある遺言書は、裁判所以外では開封できないとされ、裁判所外で開封をしてしまった場合には、5万円以下の過料に処するとされています(民法1004条3項、同1005条)。 また場合によっては遺言を改ざんしたのでは?と疑われてしまうこともあります。 そのためこの場合には開けることなく、速やかに家庭裁判所に対して、検認の請求を行うべきです。
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公正証書遺言を作成しようと思っていますが、証人が二人必要と聞きました。証人はどのような人が良いですか?また適当な人がいない場合、どうしたら良いですか?
公正証書遺言を作成する際には、証人が2名以上立ち会う必要があり(民法969条1号参照)、未成年者や推定相続人・受遺者とこれらの配偶者・直系血族、そして公証人の配偶者や四親等以内の親族、書記及び使用人は証人になれません(民法974条参照)。 ですので、公正証書遺言を作成する場合にご家族が証人になれない、というケースはよくあります。 他方で、証人は公正証書遺言の内容を全て確認することから、信頼できる人を選ぶ必要があります。 そのため、当事務所では公正証書遺言を作成する場合に、適当な証人がいない方には、弁護士らが証人として公正証書遺言作成に立ち会う、といったことも行っております。
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私の母が亡くなりました。生前、遺言を作成したというような話をしていましたが、遺品を整理しても見当たりません。 遺言を探す方法などはあるのでしょうか?
自筆証書遺言の場合、亡くなられた方がどこに保管していたか分からないと、探すのは困難です。金庫や金融機関の貸金庫に入れている方もいるようなので、思い当るところを探すほかないと思われます。 他方で、公正証書遺言や秘密証書遺言であれば、昭和64年以降に作成している場合には、相続人であればどこの公証役場からでも検索をすることが可能です(それより前に作成した場合には、作成した公証役場であれば検索は可能とのことです)。 その際に必要な書類や詳細は、近くの公証役場にお問い合わせください。
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私は自分が死亡した時には、親族ではない人に財産を全て挙げたいと思っています。どうすればいいでしょうか?
あなたが亡くなった場合、法定相続人がいる場合には、原則として法定相続人が財産を全て相続することになります。 もし、あなたが亡くなった場合、法定相続人以外に自分の財産を渡したいのであれば、遺言を作成しておくことが考えられます。 具体的には、自分の財産を渡したい人に、財産を全て遺贈する旨の遺言を作成しておくことが考えられます。
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パソコンで文章を作って印刷し、そこに自分で署名・押印する形で遺言を作りました。これは自筆証書遺言として有効でしょうか?
自筆証書遺言の要件を満たさないので、無効となります。 自筆証書遺言はその全文、日付、氏名を自書し、これに印を押さなければならないとされています(民法968条1項)。 その要件を満たさない以上、自筆証書遺言としては無効になってしまいます。 この場合、公正証書遺言の作成をお勧めします。
- 遺言
私は動画で遺言を残そうと思います。このようなものも法律上の遺言として有効でしょうか?
法律で定める要件を満たさないので、遺言としては無効です。 遺言は民法の定める方式に基づいて行わなければならないとされているので(民法960条参照)、録画や録音によるメッセージがあったとしても、それは法律上の遺言としては認められません。 ただご自身で字が書けない場合であっても、公正証書遺言を作成することは可能です。 この場合には、公正証書遺言の作成をお勧めします。