Column

年末年始を迎えるに当たって

2018年12月11日

 2018年も残り1ヶ月を切りました。
 この年末年始には帰省される方も多いと思います。
 当事務所では、12月や翌年の1月・2月に「相続」に関するご相談をいただくことが増えます。
 夏休みの時もそうなのですが、帰省をして家族で集まった時に、相続について真剣に考える時期に来た、と考える方が多くなるからではないかと思っています。
 今回は年末年始を迎えるにあたり、「親からの相続」について、問題が起きやすい類型をお話しします。
 まず、ご両親が再婚で、前妻・前夫との間に子どもがいる、という方の場合、相続の場面で争いが起きやすいと言えます。
 また、ご自身のご兄弟で連絡が付かない人がいる、または何年も連絡を取っておらず、疎遠になっているという方も、同様に争いが起きやすいと言えます。
 このような場合、ご両親にご自身の財産をどう相続させたいかを検討していただき、遺言を書いておいてもらうことが、一つの方法になります。
 次に、ご両親自身が相続手続を終えていない場合もあります。例えば、ご両親の自宅が祖父母名義のままになっていたりすることが考えられます。
 そのままご両親が亡くなられると、相続を受けた方が、手続を引き継ぐこととなりますが、ご両親の兄弟姉妹が高齢だったりすると、手続を進めることが容易ではないことも考えられます。
 そのため、ご両親にはご自身が元気なうちに、手続を進めてもらうことをお願いするもの、一つの方法になります。
 最後に、推定相続人(両親が亡くなった場合に、相続を受ける地位にいる人)が相続を見越して動いている場合です。
 最近、ご相談いただくことが多いのですが、極端な場合ご両親を囲い込んでしまい、親族にも接触させないということもあります。特にご両親が「認知症」を患っている場合に見られます。
 このような場合、ご両親の財産が使い込まれていることもありますので、後見制度を利用するなどして、まずはご両親の財産が適正に管理されるようにしておくことも考えられます。
 このように、相続の場面で問題が起きやすい類型をお話しさせていただきましたが、いずれの場合も早めにご相談をいただくことで、対策を取ることも出来ます。
 たしかに、ご両親が亡くなったあとのことを考えるのは、あまり気が進まないと思います。
 ですが、予め準備をしておくことによって、防げるトラブルも多くあります。逆に準備をしていなかったことで、思いも寄らぬトラブルに巻き込まれたり、悲しい思いをされる方も多くいらっしゃいます。
 ご家族が集まったことをきっかけに、相続について考えてみるのはいかがでしょうか。
当事務所では、遺言・遺産分割・後見について、初回1時間無料相談を実施しております。
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