この記事のポイント
・自分で遺言書を作成することのリスク
・抽象的な表現が招く家族間の争い
・弁護士によるチェックの必要性と重要性
「これで本当に大丈夫でしょうか…」
ご家族への愛情から遺言書を作成される方は多くいらっしゃいます。
しかし、その想いが確実に実現されるかどうかは遺言書の内容次第です。
依頼者の状況
- ご本人は定年退職をされた男性
- ご家族:配偶者、お子様複数名
- 自分が亡くなった時に備えて、公正証書遺言を作成済み
- 弁護士に相談せず、ご自身で内容を決めた
- 「家族に迷惑をかけたくない」「争いを避けたい」という強い想い
- 作成した遺言書の内容に不安を感じて相談
問題点の整理
作成された遺言書を詳しく拝見したところ、以下の問題が見つかりました:
遺産を分割の表現が抽象的
「適切に分割する」といった曖昧な表現のため、結局は相続人同士の協議が必要な状態でした。
配偶者が先に亡くなった場合への配慮不足
配偶者の方が先に亡くなった場合、その配偶者の方が受け取る予定だった遺産をどうするか、という指定がありませんでした。
具体的な手続き方法の不備
その他、実際の相続手続きで困らないための細かな配慮が不足していました。
解決への道筋
Step1:依頼者の想いを法的に整理
「どのような形で財産を残したいのか」「どんな想いを込めたいのか」を詳しくお聞きしました。
Step2:起こりうる問題を具体的に説明
現在の遺言書の記載内容だと、どのような争いが起こる可能性があるか、想いを実現できない可能性があることをご説明しました。
Step3:新しい遺言書の内容を協議
依頼者の想いを実現し、かつ争いを防ぐための具体的な文言を検討しました。
Step4:公証役場との調整・遺言書の作成
新しい内容で公証役場と協議し、法的に問題のない遺言書を作成しました。
解決結果
【解決内容】
- 既存の遺言書を撤回し、ご本人の想いを具体的に反映した新しい公正証書遺言を作成
- 配偶者が先に亡くなった場合の対処方法も明記
- 解釈に争いがないように、遺産が明確に分けられるように明記。また手続についても明記。
まとめ
遺言書はただ作ればよいわけではありません。
本人の想いが確実に実現され、ご家族が争うことなく相続を終えられることが一番の目標です。
特に遺言が効力を発する時にはご本人はこの世にはいません。そのため、どんな思いで書かれたのかを確認する術もありません。
そのため、きちんとした内容で残しておく必要があります。
特に以下のような方は、一度弁護士にご相談いただくことをお勧めします:
- 遺言書を作成済みだが、内容に不安がある方
- 家族構成や財産状況が複雑な方
- 家族に争って欲しくないと思っている方
一人で抱え込まず、まずは当事務所ににご相談ください。あなたの法的な権利をしっかりと守り、納得できる解決ができるように全力でサポートします!
相続・遺産分割について、初回90分無料相談を実施しております。お気軽にご相談ください!