この記事のポイント
- 子どもがいない夫婦の相続人の範囲
- 所在不明の相続人がいる時の対処法
- 専門家による戸籍調査の重要性
- 円満な遺産分割協議の進め方
「親族に連絡するなんて、考えただけで気が重くて…」
長年連れ添ったご主人を亡くし、深い悲しみの中にいるAさん。
お子さんがいらっしゃらなかったため、相続人はAさんとご主人の兄弟になることは理解されていました。
しかし、いざ手続きを進めようとすると、思わぬ問題が浮上したのです。
依頼者の状況
- Aさん(ご主人を亡くされた奥様)
- 被相続人はAさんの夫
- 被相続人の兄弟:3名(うち兄1名は既に他界)
- 代襲相続人:他界した兄のお子さん2名(甥・姪)
- 相続財産:自宅不動産と預貯金
問題点の整理
- 夫の兄弟とは連絡が取れるものの、代襲相続人である甥・姪の居所が不明
- 他の兄弟も甥・姪とは長年音信不通で、どのように連絡を取ればよいか分からない
- 依頼者自身が他の親族に連絡することに不安を感じている
直面した課題
相続人の特定と所在確認の困難さ
子供がいない夫婦の相続では、ご両親がすでに亡くなっている場合には配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。
しかし兄弟姉妹もすでに亡くなっている場合は、その子供(甥・姪)が代襲相続人となるため、相続関係が複雑になります。
長年の音信不通による心理的な壁
何十年も連絡を取っていない親族に、いきなり相続の話を持ちかけることへの心理的な負担は想像以上に大きなものでした。
専門的な調査の必要性
そもそも一般の方が戸籍を追って、所在を調べることは現実的に困難です。
解決への道筋
Step1:相続人の確定と所在調査
まず、職務上請求を行いました。具体的には戸籍謄本・住民票を取得して相続人を正確に特定し、その上で甥・姪の現在の住所を調査しました。。
Step2:丁寧な事情説明と関係構築
所在が判明した後は、弁護士から直接連絡を取り、相続の開始と手続について丁寧に説明しました。
突然の連絡に戸惑われる方もいらっしゃいましたが、状況を丁寧に説明することで理解を得ることができました。
Step3:全員が納得できる分割案の提案
相続人全員の状況や希望を伺った上で、以下のような分割案を提案しました。
- Aさんが思い出の詰まった自宅を取得
- 他の相続人の方々には預貯金から適切な配分
解決結果
【解決内容】
最終的に、Aさんが自宅不動産を相続し、他の相続人の皆様には預貯金の一部をお渡しする形で合意に至りました。
弁護士からのアドバイス
早めの準備が重要
相続人の調査や連絡には時間がかかります。
悲しみの中でも、できるだけ早く専門家に相談することをお勧めします。
弁護士による調査の活用
一般の方では困難な戸籍調査も、弁護士であれば職務上請求により効率的に行うことができます。
円満な関係維持を重視
法的な権利だけでなく、相続人同士の感情面にも配慮した解決を目指すことが大切です。
まとめ
相続は法的な手続きである前に「家族の問題」です。特に長年音信不通だった親族との関係では、専門家が間に入ることで円滑に進むケースが多くあります。
一人で抱え込まず、まずは当事務所ににご相談ください。あなたの法的な権利をしっかりと守り、納得できる解決ができるように全力でサポートします!
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