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「母の預金口座から勝手にお金が引き出されていた」訴訟と調停手続を利用することで完全解決 解決事例より④

2025年07月30日

この記事のポイント

  • 親の預金管理による使途不明金トラブルの実態
  • 説明を拒む相続人への対処法
  • 裁判所を活用した冷静な問題解決

「母が亡くなってから、預金通帳を見て愕然としました…」

依頼者は母親を亡くされ、相続手続きを進める中で使途不明金の問題が発覚しました。
管理をしていた、きょうだいに説明を求めても、具体的な回答は得られず、「自分で使った」という曖昧な説明のみ。

多くのご家族が直面する、この深刻な問題について、実際の解決事例をご紹介します。


ご依頼者者の状況

  • 母が他界
  • 遺言書は残されていない
  • 主な相続財産:預貯金、自宅不動産
  • 姉が預貯金を管理していたが、使途不明金が多額に上り、しかも「自分のために使った」と言っており、具体的な使途の説明は一切なし
  • このままでは公平な遺産分割ができない状況

問題点の整理

家族の信頼関係の破綻
親の預金管理を任せていた姉が、説明を拒否。依頼者としては裏切られたという気持ちになってしまいました。

使途不明金の存在
多額の現金が引き出されているにも関わらず、その使い道が全く不明。相続財産の把握ができない状態でした。

感情的対立の深刻化
説明を求めても応じてもらえず、話し合いでの解決が困難な状況に陥っていました。


解決への道筋

Step1:証拠の整理と法的分析
まず預金通帳や取引履歴を詳細に分析し、使途不明金の金額と引き出し時期を把握しました。その上で法的な観点から、返還請求の可能性を検討しました。

Step2:返還請求訴訟の提起
話し合いでの解決が困難と判断し、速やかに法定相続分に基づく返還請求訴訟を提起しました。

Step3:裁判所による公正な判断
裁判所は客観的な証拠に基づいて事案を検討し、相手方に使途不明金を返還することを前提とした和解案を提示しました。

Step4:遺産分割調停による最終解決
使途不明金の問題解決後、遺産分割調停を申立て、最終的には法定相続分に基づく公平な分割を実現しました。


解決結果

【解決内容】
裁判所から和解案が提示され、使途不明金の返還(解決金の支払い)が実現されました。そして、その後の遺産分割調停で、法定相続分に基づく公平な分割が完了しました。


同じような問題でお悩みの方へ

親の預金管理で気をつけるべきポイント

客観性・透明性の確保
親の預金を管理する場合は、出納帳をつけることなどしておくことが大切です。また親から承諾をもらった上で他の家族にも定期的に報告し、透明性を保つことが重要です。

成年後見・任意後見制度、財産管理契約の活用
適切な法的手続きを踏むことで、管理の正当性を確保できます。

使途不明金問題が発生した場合の対処法

一人で悩まず、早期に弁護士にご相談ください。感情的な対立に発展する前に、法的な観点から冷静に解決策を検討することが大切です。

裁判や調停と聞くと大げさに思われるかもしれませんが、実際には親族間のトラブルを公正に解決するための有効な手段です。
裁判所という第三者機関を通じることで、感情的な対立を避け、法的根拠に基づいた公平な解決が可能になります。


まとめ

相続問題は、お金の問題である前に「家族の問題」です。しかし、家族だからこそ言いにくいこと、聞きにくいことがあるのも事実です。
使途不明金の問題も、放置していても解決しません。むしろ時間が経つほど、証拠の確保が困難になり、解決がより複雑になってしまいます。

一人で抱え込まず、まずは当事務所ににご相談ください。あなたの法的な権利をしっかりと守り、納得できる解決ができるように全力でサポートします!

相続・遺産分割について、初回90分無料相談を実施しております。お気軽にご相談ください!