事業承継を成功させるための実践ガイド
前回までは事業承継の大切さと失敗例についてお話ししてきました。
最終回の今回は「具体的に何をすればいいのか」をお伝えします。
本当に大事なことを見極めましょう
今の時点での「リスク」を知ることが第一歩
税金対策も大切ですが、まず何より大切なのは、今どんな問題があるのかを明確にして、ご自身が把握することです。
そのためには、現状をきちんと把握しましょう。
ポイントをいくつか挙げると次のとおりです。
・誰が実際に会社の決定をしているか
→ 何人かで会社を立ち上げた場合、
・株式は誰が持っているか
→ 株式を誰が、どれくらいの割合で持っているかを即答できる方は、意外と多くありません
・会社にどんな財産があるか、特に社長個人の財産と会社の財産の区別
→ 株式の価値を把握する上でも会社名義の財産を把握しておきましょう
→ また実際には社長個人の財産なのに、名目上会社名義にしているものなどがあれば、それも整理しておくことが大切です
・後継者候補と他の親族との関係
→ 後継者にしたい方と他の親族との間に、紛争の火種があるような場合には、より対策の重要性が増します
相続問題に詳しい弁護士に相談しよう
現状を把握したら、リスクの診断が大切です。
中小企業の事業承継は、実質的には「創業者の方の相続問題」ということもできます。
そのため、多くの相続トラブル対応をしてきた弁護士に相談をすることで、トラブルに発展しそうな点を事前に把握し、対策を取ることで、紛争を未然に防ぐことができます。
特に以下のような場合は弁護士の力が必要だと考えます。
- 株式を複数の家族が持っている場合
- 後継者と他の家族の間にもめごとの可能性がある場合
- 会社の財産と個人の財産の境目があいまいな場合
時間を意識して動こう
事業承継は大切なことですから、時間をかけて準備し、実行することも大切です。ただ、準備に時間をかけすぎると、次のようなリスクが出てきます。
- 社長が病気や事故で業務ができなくなること
- 後継者候補がしびれを切らして、独立してしまうなど
- 世の中や業界の状況が変わり、対応ができなくなる
早めに取り組むことが大切
一つの考え方ですが、社長が60歳を過ぎたら事業承継の準備を始めるべきです。
これは社長が元気で、判断も冴えているうちに、自分の意思で計画を進めることが出来るからです。
そうは言っても、現役バリバリという方も多いのではないでしょうか。
ただ先ほど述べたように、後回しにしてしまうことでリスクは増します。
また社長が現役のうちに後継者を育成することで、事業承継はよりスムーズに実現できます。
会社の状況や後継者の準備状況によって最適な時期は変わります。
ただ、大切なのは「早めの準備が肝心」という考え方をもっておくことではないでしょうか。
最後に
事業承継は、会社と従業員、そしてご自身の家族の未来を守る大切な取り組みです。
早めの準備と相続に強い弁護士の助けで、スムーズな事業承継を実現しましょう。
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