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2015年03月01日
実際に成年後見人が選任された場合、成年後見人はどのような活動をするのでしょうか。
成年後見人が行う活動は、本人の財産管理と身上監護とされています。成年後見人には本人の財産に関する包括的な管理権と、財産に関する法律行為に関する包括的な代理権が与えられています。
まず、財産管理のためには本人の財産を把握する必要があります。そのため、本人、申立人その他親族から聴き取りなどを行い、本人の財産を把握し、預金通帳などの引き渡しを受けて管理をします。
その際、ご本人名義の預貯金があることが大半なので、各金融機関に成年後見人の届出を行います(金融機関ごとに形式が異なります)それと同様に、本人の有している財産に応じて、保険会社や証券会社などに対して届出を行います。
また、本人が年金を受給している場合も多いので、社会保険事務所への届け出や、その他、市・区役所などの公的機関などへの届出を行います。そのような調査を行い、成年後見人は原則として1か月以内に本人の財産目録(本人名義の財産や負債の明細など)を作成し、家庭裁判所に提出する必要があります。また、年間支出額の予定を定め、本人の財産管理をスタートさせることになります。
他方で、本人が介護や定期的な診療を受けている場合、ケアマネージャーや病院、施設への連絡と今後のことについての協議を行うことになります。もっとも、成年後見人が行う身上監護については事実行為までは含まれないので、成年後見人は介護そのものを行うのではなく、介護サービスを手配することが通常です。
ただ、手術といった身体的侵襲を伴うような行為については、成年後見人には同意権ががないとされています。この点については、立法による解決が待たれるところです。
なお、保佐、補助人については、成年後見人と比べて代理できる範囲が限定されているので、その限りで本人をサポートすることになります(保佐、補助については別のコラムをご覧ください)