最近、このコラムでは、「財産を引き継ぐ」ということを中心にお話をしてきました。
しかし認知症などでご自身の財産の管理が難しくなったときの対策を知りたい方にもお役に立てるように、後見制度についても、改めてお話していきたいと思います。
後見制度のお話をすると、後見人は自分で選べるの?というご質問をいただくことがよくあります。
法定後見制度を利用する場合、後見人(保佐人・補助人)に誰を選任するかは、裁判所が決めることになります。そのため、必ずしもご本人やご家族が希望される方が選任されるわけではありません。
そのため、ご本人の判断能力が低下してからでは、ご本人の希望する方に財産を管理してもらえない、という事態が生じることもあります。
ここで、ご自身の判断能力が十分な時点であれば、ゆくゆく判断能力が低下した時に後見人になってほしいと思う人と契約をすることで、いざという時に後見人になってもらうように備えておくことができます。
それが任意後見契約とです。
この契約は、公正証書によってしなければならない、と法律で決められています。公証役場で手続きするので、遺言の公正証書を作成する際に、一緒に任意後見契約もしておく方も沢山いらっしゃいます。
もっとも、この任意後見契約については、後見人の代理権を予め任意後見契約書で定めておく必要があります。
ご自身の財産やご希望に則した契約書にするため、まずは弁護士にご相談されることをおすすめします。