Column

相続手続の際に「とりあえずハンコを押して」と言われた時に、立ち止まって考えてほしいこと

2026年02月11日

相続人の一人に手続きを任せてしまっていませんか??

「兄(姉)が相続の手続きを進めているのですが、困ったことが起きました」
相続のご相談を受ける中で、よく耳にするのが、こんな状況です。

兄(姉)から説明はほとんどなく、「とりあえずここにハンコを押して」と書類を渡された。
内容や手続きを確認したいと言うと、急に不機嫌になったり、「信用できないのか?」と怒られた。

揉めているわけではない。でも、どこか引っかかる。
「自分が気にしすぎなのかな」と、その不安を飲み込んでしまう方も少なくありません。
場合によっては、言われるがままにハンコを押してしまう方もいらっしゃいます。

不安を感じたら一度立ち止まりましょう

相続は単純な手続きではなく、複雑な感情が混ざり合います。

  • 家族関係を悪くしたくない
  • 「信頼していないみたい」と思われたくない
  • 自分は詳しくないから任せた方が楽かもしれない

こうした気持ちから、「自分も当事者なのに、傍観者のような立場」になってしまうことがあります。

しかし、相続の手続は「誰か一人の問題」ではありません。
相続人である以上、全員が当事者です。
不安を感じたら、まずは一旦立ち止まることが大切です。

事前に知っていれば、防げるトラブルは多い

相続手続に必要な書類と言われた場合には、必ず、その内容については確認をしましょう。

多くの場合、

  • 遺産分割の内容に同意した
  • その内容について、後から争わない

という意味を持ってしまいます。

つまり、よく分からないままハンコを押したことで、後で取り返しのつかない結果になるということも、残念ながらあり得ます。

例えば、お兄さん・お姉さんは全部自分が受け取ると思っていた、自分は法定相続分に基づいてもらえるものと思っていたという認識のズレを生じたまま手続きを進めてしまうと、のちのち大きな問題が生じます。

このようなお話を聞くと、本当にそんなことあるの?と思う方も多いでしょう。
しかし、相談を受ける中で、このようなケースは少なからず存在します。

また中には「形式的には自分が全部受け取る形にするけど、あとで渡すから」と言われてハンコを押したのち、約束を破るといった悪質なケースもあります。

このように、「説明を受ける」、「理解する」、「リスクがあることを踏まえて対応する」というプロセスが抜け落ちたまま進むと、後になってトラブルが生じてしまいます。

そのため、少しでも不安を感じたら、弁護士に相談をすることが大切です。

弁護士に早めに相談することで得られる3つのメリット

相続初期段階で弁護士に相談することには、次のようなメリットがあります。

① 自分の立場と権利が整理できる
「何を知っておくべきか」「どこに同意するのか」が明確になります。

② 家族間の「直接の衝突」を避けられる
「弁護士からきちんと確認をした方がいい」ということを伝えることで、感情的な対立を和らげやすくなります。

③ 手続きを「自分ごと」として進められる
ご自身も弁護士に相談をし、納得しながら進めることを意識することで、「自分ごと」としてとらえやすくなり、後悔や不信感を残しにくくなります。

「今すぐ揉めていなくても、相談してよい」

「まだ大きなトラブルではないから」
「怒っているのは一時的なものかもしれない」

そう思われる方も多くいらっしゃいます。けれど、相続の相談は問題が起きてからでないとできないものではありません。

  • これからどう進むのかを知りたい
  • 自分が確認すべきポイントを整理したい
  • どのようなリスクがあるのかを理解したい

このような段階での相談こそ、意味があります。

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