この記事のポイント
・親族による財産管理の「使い込み疑惑」を事前に防止
・ 財産管理契約と任意後見契約で将来の認知症リスクにも対応
・ 公正証書遺言で相続トラブルも未然に防止
高齢になると、銀行での手続きや、財産の管理が大変になってきます。
多くの方が信頼できる家族に財産管理をお願いしていますが、「本当にこれで大丈夫なのか」という不安を抱えていらっしゃるのが現実です。
ご依頼者の状況
- 70代 女性
- ご家族:長男、長女、次男 夫はすでに他界
- 現在は元気だが、預貯金の管理を長男に依頼している
- 主な財産:自宅不動産、預貯金など
- 将来的に認知症になった場合に不安である
- 相続時に長男が他の親族から「使い込みをしたのでは?」と疑われないか心配
問題点の整理
現在の課題
- 財産管理の権限や範囲は口約束で曖昧である
- 預貯金の管理の状況を記録していない
- 他の家族への説明責任が不明確
将来への不安
- 認知症になった場合の財産管理がどうなるか不安
- 自分が亡くなった時に長男が「使い込み疑惑」をかけられたくない
解決への道筋
Step1:現状の整理と将来設計
依頼者と長男から詳しくお話を伺い、現在の財産管理状況と将来への希望を確認しました。
Step2:最適な契約の組み合わせをご提案
今回のケースでは、3つの契約を組み合わせることで依頼者のご不安を解消できると考えました
- 財産管理契約:現在の管理を正式に書面化
- 任意後見契約:認知症になった場合の備え
- 公正証書遺言:相続時のトラブル防止
Step3:公正証書の作成
これらをすべて公正証書で作成することで、口約束だった内容を書面化すると共に、権限の範囲も明確となりました。
解決結果
【解決内容】
- 財産管理契約:ご長男の管理権限を明確化し、適切な管理方法を書面で定めました
- 任意後見契約:依頼者が認知症になった場合も、ご長男が後見人として財産を管理、守れる体制を整備しました
- 公正証書遺言:依頼者の希望に基づく遺言書を作成し、相続時のトラブルを未然に防止
まとめ
親の財産管理は「愛情」だけでは解決できない法的な問題を含んでいます。
善意で行っている財産管理が、後に家族の対立を生む原因になってしまっては本末転倒です。
「きちんとした書面を残すこと」が、管理する方にとっても、される方にとっても、そして他の家族にとっても安心につながります。
「うちは家族仲が良いから大丈夫」と思っていても、相続は人を変えてしまうことがあります。
元気なうちに、家族みんなが納得できる体制を整えておくことが何より大切です。
一人で抱え込まず、まずは当事務所ににご相談ください。あなたの法的な権利をしっかりと守り、納得できる解決ができるように全力でサポートします!
相続・遺産分割について、初回90分無料相談を実施しております。お気軽にご相談ください!