今回から当事務所の解決事例を基にコラムを掲載していきます。
同じような問題で悩まれている方の助けになれば幸いです。
※ご依頼者からホームページなどに掲載をすることについて承諾をいただいた事例のみ掲載しております。また匿名化のため事案の一部を変えていますが、問題の本質・解決方法は同じです
遺産分割の話し合いに応じてもらえない!
依頼者はお母様を亡くされたことから、遺産分割について兄と話し合おうとしても全く応じてもらえない状況が続いていました。
相続は家族の問題だからこそ、時として感情的なもつれが解決を困難にしてしまいます。話し合いのテーブルにすら着いてもらえない—そんな状況に直面された方は、決して少なくありません。
ご依頼者の状況
- 母親が他界
- 遺言書は存在しない
- 主な相続財産:自宅不動産、預貯金、株式など
- 兄が遺産分割の話し合いどころか連絡にも応じてくれない
直面していた問題
この事例では、以下のような深刻な問題がありました:
法的な問題
- 遺産分割協議が成立しない
- 相続手続が一切進められず、銀行口座の解約もできない
- 不動産の名義変更ができない
感情的な問題
- きょうだい関係の完全な断絶状態
- 一人で抱え込む精神的な負担
解決への道筋
Step1:現状の整理と方針決定
まず、これまでの経緯と相続財産の詳細を確認しました。
相手方との関係性や、ここに至るまでの背景も丁寧に聴き取りました。
Step2:代理人による交渉
弁護士が依頼者の代理人として、相手方に対して正式に遺産分割協議の申し入れを行いました。
しかし、この段階でも協議に応じていただくことはできませんでした。
Step3:家庭裁判所への申立て
話し合いによる解決が見込めないと判断し、早期に家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。
Step4:調停での話し合い
家庭裁判所の調停委員を通じて、ようやく相手方との話し合いの場が設けられました。しかし、調停でも合意に至ることはできませんでした。
Step5:審判手続への移行
調停では解決できなかったため、遺産分割審判に移行しました。この段階では、裁判官が客観的な証拠と法律に基づいて判断を行います。
解決結果
【解決内容】
遺産分割審判において、裁判官が依頼者の希望に沿った形での遺産分割を認める審判を下しました。
教訓とアドバイス
早期の方針転換が鍵
今回の事例で最も重要だったのは、「話し合いによる解決にこだわりすぎない」ことでした。相手が協議に応じない場合、無理に説得を続けるよりも、適切なタイミングで法的手続きに移行する方が、結果的に早期解決につながります。
家庭裁判所は敵ではない
「裁判所」と聞くと身構えてしまう方も多いのですが、家庭裁判所は家族の問題を話し合いで解決することを目指す場所です。
相続人全員の利益を考慮し、公平な解決を目指してくれます。
専門家のサポートの重要性
複雑な手続きや感情的な負担を一人で抱え込む必要はありません。適切な時期に専門家に相談することで、精神的な負担を軽減しながら、最適な解決策を見つけることができます。
同じようなお悩みをお持ちの方へ
相続は「家族の問題だから家族で解決すべき」と考える方も多いでしょう。しかし相続問題は法律的な問題のみならず、感情的な問題もまじりあいますから、一人で解決するのが難しい場面は多くあります。
もし、他の相続人に話し合いに応じてもらえない、連絡が取れない、といった状況でお困りの方は、一人で抱え込まずに当事務所ににご相談ください。最善の解決に向けて全力でサポートします!
相続・遺産分割について、初回90分無料相談を実施しております。お気軽にご相談ください!