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突然の相続で慌てないための準備とは?知っておきたい相続リスク診断⑲

2025年07月19日

今回は少し趣向を変えて、急な相続に直面してしまった場合にどのような対応をすべきか、気をつけなければいけないことは何かについて見ていきます。

当事務所の「相続リスク診断」は、問題が起こる前に潜在的な危険を見つけて対策する予防サービスです。 病気の早期発見と同じで、早めの対策がご家族の平和を守ります。

今回も架空のご相談者からの法律相談をベースに、相続リスクと対策をご紹介します。 ぜひご自身やご家族の状況と比べてみてください。

見えない相続の危険を見つける相続リスク診断

相談者 50代 男性 会社員

弁護士: 本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。
お父様のことでご相談があるとのことでしたが、詳しくお聞かせいただけますか?

相談者: はい。実は2週間前に父が突然心筋梗塞で亡くなりまして、葬儀などがようやく終わりました。
これから相続の手続をしなければいけないと思っているのですが。をどうすればいいのか全くわからない状況なんです。とりあえずネットで調べてはみたのですが、情報が多すぎて混乱しています。

弁護士: 突然のことで大変でしたね。お悔やみ申し上げます。
一つずつ整理していきましょう。ご家族の構成を教えていただけますか?

相談者: 母がまだ元気です。父と母の間には、私と妹がいます。
妹は結婚して県外に住んでいます。

弁護士: ありがとうございます。お父様の財産についてはどの程度把握されていますか?

相談者: 正直なところ、詳しくは分からないんです。自宅があって、銀行の預金もあるとは思うのですが、父は財産のことをあまり話したがらない人でした。生命保険に入っていたかどうかも分からない状況です。

弁護士: そうですね。現在、どのような手続きをされましたか?

相談者: 死亡届は出しました。あと年金の手続きや役所の手続きはしています。でも銀行に亡くなったことを伝えたら、口座が凍結されてしまって。
母の生活費をどうしようかと困っています。

弁護士: なるほど。

相談者: 私自身、日中は働いていますから、平日に銀行や役所に行くのがとても大変なんです。母も慣れない手続きで疲れ切っていて、一人に任せるのは不安です。

弁護士: お忙しい中での手続きは本当に大変ですね。相続税についてはご心配されていますか?

相談者: それが一番心配なんです。相続税がかかるのかどうか全く分からなくて。ネットで調べると基礎控除がどうのこうのと書いてあるのですが、計算方法がよく分からないんです。もし税金を払わないといけないなら、いつまでに申告すればいいのかも知りたいです。

弁護士: お父様は遺言書は残されていましたか?

相談者:父の部屋を探してはいるのですが、まだ出てきていません。

弁護士: 分かりました。他にご心配なことはありますか?

相談者: 実は妹との関係が少し気になっています。普段はそれほど連絡を取り合っていないのですが、相続となると何か言ってくるかもしれません。
母は「みんなで仲良く分ければいい」と言うのですが、具体的にどう分ければいいのか分からないんです。

弁護士: お話をお聞きする限り、いくつか注意すべき点がありそうですね。

相談者: やはり問題があるんでしょうか?

弁護士: 「問題」というよりも、「手続きを進める上で気をつけるべきポイント」がいくつかあります。特にお忙しい中での手続きということもあり、効率的に進めるためのアドバイスが必要だと思います。

この事例ではどこに注意が必要でしょうか?

突然、ご親族が亡くなってしまった悲しみの中で、何から手をつけていいか分からないという状況は、多くの方が経験されることです。
この相談者の方のように、仕事をしながら相続手続きを進めることの難しさや、相続手続きへの不安を抱える方は少なくありません。

このような状況だからこそ、適切な対応をすることがとても大切です。

どんな注意点があるか、それに対してどのような対応が必要かについて、次に詳しく見ていきます。