ご家族関係が複雑な場合、相続トラブルが生じる可能性は他の方よりも高くなります。
当事務所の「相続リスク診断」は、問題が起こる前に潜在的な危険を見つけて対策する予防サービスです。
病気の早期発見と同じで、早めの対策がご家族の平和を守ります。
今回も架空のご相談者からの法律相談をベースにして、相続リスクと対策をご紹介します。
ぜひご自身やご家族の状況と比べてみてください。
相続リスク診断
相談者 70代 女性
弁護士: 本日はご相談にお越しいただきありがとうございます。
どのようなことでお困りでしょうか?
相談者: 私は今70代で、夫と二人暮らしをしています。
主人は再婚で、前の奥さんとの間に子どもが2人いるんです。ただ、その子どもたちとは私は会ったことがありません。主人も数十年会っていないようです。
弁護士:なるほど。そうなんですね。
相談者:うちは少し複雑だと思いますので、主人が亡くなった後の相続のことが少し心配になり、法律相談に来ました。
弁護士: 分かりました。ご主人とは再婚で。ご主人は前妻との間にお子さんがいらっしゃるのですね。
大事なことなので伺いますが、あなたとご主人との間にはお子さんはいらっしゃいますか?
相談者: いいえ、私たちの間には子どもはいません。
弁護士: 分かりました。ご主人の財産としては、どのようなものがありますか?
相談者: 自宅の不動産と預貯金です。自宅は現在も私たちが住んでいます。
弁護士: 分かりました。ご主人とは相続についてお話しされたことはありますか?
相談者: あまり相続のことには興味がないようです。私に全てあげる、と言っています。
ただ私はそれだけでは心配なので、主人に遺言を書いてよ、とお願いしました。
弁護士:そうなんですね。遺言は作成されたんですか?
相談者:ええ。主人はエンディングノートの講座や、インターネットで遺言を調べて自分で書いたようです。私も少し安心できました。
ただ内容は見せてもらっていないんです。
弁護士:ご主人は自分で遺言を書いたということですね。
相談者:私としては、数十年、主人と苦労して築き上げた財産です。
できれば自宅も預貯金もすべて私が相続したいと思っています。
弁護士: なるほど。ご心配なのは当然です。
相談者さんのケースは、再婚で前妻のお子さんがいる場合の相続というやや複雑なパターンに当たります。
これは「相続リスク」が高いケースと言えますね。
この事例ではどこに問題があるでしょうか?
再婚されている方も珍しくない時代ですが、相続となるとやはり複雑な問題になりかねません。
今回もご相談者が気づいていない複数の相続トラブルのタネが多く隠されています。
どんな問題点があるか、それに対してどのような対応が必要かについて、次回詳しく見ていきます。