Column

「親の財産管理から相続トラブルが始まる?!」 知っておきたい相続リスク診断④

2025年06月14日

前回、架空のご相談者との法律相談を見ていただきました。
相談者が気づいていない相続トラブルのタネとは何でしょうか。

早速見ていきましょう。

使途不明金問題

弁護士: お話をうかがった限りでは、いくつか潜在的な相続トラブルの芽があるように感じます。

相談者: えっ、そうなんですか?

弁護士: まず第一に、お父様の財産管理の方法に問題があります。
通帳とキャッシュカードを預かって代わりにお金を下ろすということ自体、他の相続人から「お金を使い込んでいる」と見られるリスクがあります。

相談者: そんな!私は父のために管理しているだけなのに…

弁護士: もちろん、大半の皆さんが善意でやられています。
しかし相続が始まったあと、使途が不明確なお金が多額になることが分かった場合、他の人から「財産を使い込んだ」と言われることもあります。

相談者:そんなことが起こりうるんですね・・

弁護士:特にお父様に認知症の症状が見られるということは、判断能力が低下している可能性があります。
この状態で下ろしたお金を全部お父様に渡していた、と言っても、「認知症だった父がそんな大金を使うはずがない」といったような主張もされかねません。

相談者: でも兄とは基本的に仲が良いですし…

弁護士: お兄さんとは過去に預貯金管理でトラブルになったことがあるというお話でした。相続が発生すると、お金の問題で人間関係が変わってしまうことがあります。とても悲しいことですが。
そして特に遺言書がない状況では、「生前の財産管理」が問題になりやすいのです。

相談者:そんな・・・

音信不通の妹にも相続権がある

弁護士:また、10年以上連絡のない妹さんの存在も大きな問題です。
相続が発生した場合、法律上は妹さんにも相続権があります。
妹さんがその相続権を行使するのは自由ですし、そもそも妹さんと話し合いが出来なければ遺産分割協議自体を進めることもできません。

相談者: そんなリスクがあったなんて・・・どうすればいいでしょうか?

弁護士: いくつかの対策が考えられます。
まず現在の財産管理方法を見直し、明確な記録を残すことが必要です。
並行して成年後見制度の利用も考えた方がいいですね。
お父様の判断能力に応じた制度を利用することで、家庭裁判所の監督の下で透明性のある財産管理ができます。

相談者:成年後見制度は考えたこともありませんでした。

弁護士:また医師がお父様に判断能力がある、と診断した場合には、お父様に遺言書の作成をお勧めすることも重要です。
最も重要なのは、お父様がご存命のうちから、適切な対応を始めることです。相続が実際に発生してからでは遅いケースが多いのです。

相談者: 分かりました。具体的な対策を教えてください。これからどうすればいいか不安です…

弁護士: ご安心ください。まずは詳細な「相続リスク診断」をさせていただき、その上で最適な対策をご提案します。
この段階で対応することで、将来のトラブルを大きく減らせる可能性が高いです。一つひとつ解決していきましょう。

まとめ

今回は親の財産管理から生じる相続問題を取り上げました。
この使途不明金問題は、近年では相続トラブルの際には必ずと言っていいほど取り上げられています。
そのため早い段階での対策が重要です。

当事務所の「相続リスク診断」では、具体的なリスクや考えられるトラブルを分析し、それを防ぐための対策を提案します。
早めの準備が家族の平和を守ります。
ぜひご相談ください。

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