Column

「これって大丈夫?」知っておきたい相続リスク診断①

2025年06月07日

相続トラブルと聞いて、こう考える人も多いのではないでしょうか。

「うちは問題ないから」「家族は仲が良いから」

実は相続トラブルは、問題がない、仲が良いと思っている家族にも起きてしまいます

当事務所の「相続リスク診断」は、問題が起こる前に潜在的な危険を見つけて対策する予防サービスです。
病気の早期発見と同じで、早めの対策がご家族の平和を守ります。

「うちに限って…」と思っていた方の典型的な例を、架空のご相談者からの法律相談をベースにご紹介します。
ぜひご自身の状況と比べてみてください。

見えない相続の危険を見つける相続リスク診断

相談者 70代 男性 

弁護士: 今日は相続関係のご相談ということでご来所いただき、ありがとうございます。まずは相続に関してどのようなことが心配か、教えていただけますか?

相談者 : 実は特に困っているわけではないんです。息子に「一度弁護士さんに相続の話を聞いた方がいい」と言われて来ました。
でも私自身は特に問題ないと思っているんですよ。

弁護士: 息子さんが心配してくれているんですね。
ご家族の状況を少し教えていただけますか?

相談者: 今は長男の家族と一緒に住んでいます。
妻は数年前に認知症になってしまって、去年から施設に入っています。
子どもは長男と長女の二人です。

弁護士: ありがとうございます。奥様が認知症とのことで大変ですね。
お持ちの財産についても少し聞かせていただけますか?

相談者: 自宅の土地建物と銀行の預金くらいです。
家の価値はきちんと調べてないですが、預金額よりも2倍以上はあると思います。

弁護士: なるほど。今の時点で遺言書は書かれていますか?

相談者: いいえ、必要ないので書いていないです。
たしか相続の割合は法律で決まっているでしょう?
私が死んだら妻と子どもたちで分けるだけなので特に問題はないと思いますよ。みんな仲良くやっています。
それに、遺言書を書くほど財産はないですから(笑)

弁護士: 失礼な質問かもしれませんが伺いますね。
お子様同士の関係は良好ですか?

相談者: ええ、まあ、昔から仲良くしていますよ。
最近はお互い忙しいようで会う機会は減りましたが…

この事例ではどこに問題があるでしょうか?

このようなご家庭は多いのではないでしょうか。
この相談者の方は自分の家族には問題がない、相続トラブルは起きないと考えています。

でも実は相談者が気づいていない複数の相続の危険が隠れています。

どんな問題点があるか、それに対してどのような対応が必要かについて、次回詳しく見ていきます。