「遺言を作る」
これだけで身構えてしまったり、億劫になってしまうのではないでしょうか?
このコラムでは、遺言を作っておくメリットをお話してきました。ただ、どうしても動こうとすると一歩目が動き出せない、という方もいらっしゃると思います。
そのような場合、簡単なことから始めることをお勧めします。
・ご自身の財産を書き出してみてください
金額も何となく、でよいので、書き出してみることが大切です。
「財産なんかないよ!」とおっしゃる方も多いのですが、預金、不動産、株式などがすべて「財産」です。これを書き出してみて、ご自身の財産がどれくらいあるのか、そのバランスなどを確認してください
→ 財産の中で、不動産の価値が占める割合が高い場合には、遺産分割の際に問題が起きることがあります
・今の時点で亡くなったとしたら、誰に渡したいかを考えてみてください
亡くなった時点の財産が、遺産分割の対象となります。ただ、今からそれを考えても分からないので、まずは今の時点で亡くなった場合、誰に渡したいかを考えてみてください
→ 特定の人に財産を渡したい場合など、遺言を書かないと実現できないこともあります
この二つの作業をすると、なんとなく問題点が浮き彫りなったり、疑問が生じてくるかと思います。
例えば、
・自分の財産は自宅不動産が中心。これを長男に継がせたいけど、他の人が納得してくれるのか
・子どものうち、一人に多めに財産を渡したいけれども、それが可能なのか
・株式や預金が多いけれども、自分が亡くなった後、配偶者だけで手続きができるのか
といった問題点や疑問が出てくることもあります。
この時点で、本格的に遺言作成を検討すると、なんとなく作らなければ・・・と思っていた時よりは積極的に作成しようという気持ちになるのではないでしょうか。
まずは簡単な作業から始めてみることをお勧めします。