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Q&A

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よくあるご質問

私は同居している認知症の母の財産管理をしていますが、特に日常生活において支障はありません。それでも成年後見制度を利用する必要はありますか?

お母さんが認知症ということですが、判断能力がある場合には、お母さんからの委任に基づいて、財産管理を行うことも可能と考えられます。
判断能力が失われてしまった場合、お母さんの意思に基づいているかどうかは確認が出来なくなることから、成年後見制度を利用すべきと考えられます。

母について成年後見制度を利用しようと思っていますが、私が成年後見人に選任された後に、病気や仕事が忙しいとの理由で、業務が難しくなった場合は辞任することはできますか?

 成年後見人は家庭裁判所から選任されていることから、自由に辞任することはできず、正当な理由がある時に裁判所の許可を得て辞任することができます(民法844条参照)。
 この正当な事由は、一般的に後見事務を行うことが出来ないほどの遠隔地への転居、加齢や病気などにより業務を行うことが出来なくなった場合などが挙げられます。
 なお、辞任が認められた場合、新たに後見人が必要な場合には新たな後見人の選任を裁判所に請求する必要があります(民法845条)

私の父の成年後見人に、私の兄が就任しています。兄は働いていて収入があるのですが、父のお金の一部を自分の生活費に充てているようです。この場合、どうすればいいのでしょうか?

 成年後見人に対する監督は、一次的には家庭裁判所が行うと考えられています(民法863条参照)。
 そのため、まずは上記について家庭裁判所に相談すると共に、必要に応じて被後見人の財産目録を提出させるなどの処分を行うことを家庭裁判所に求め(民法863条2項参照)、成年後見人による適正な財産管理などが行われているかどうかを家庭裁判所に調査してもらうことが考えられます。

母について、成年後見制度を利用しようと考えています。この場合、どこの家庭裁判所に申し立てを行えばいいのでしょうか?

 法定後見制度を利用するためには、家庭裁判所への申立てが必要になります。その場合、後見開始、保佐開始、補助開始の審判についてもいずれも、被後見人、被保佐人、被補助人になる者の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。
 そのため、ご質問の場合、お母さんが住んでいるところを管轄する家庭裁判所に、申立を行うことになります。

父が私を任意後見人とする、任意後見契約を結びたいと言っていますが、父は最近、認知症と診断されました。本人の判断能力が衰えてきている時に任意後見契約を締結することはできるのでしょうか?

 任意後見契約も「契約」なので、当事者には契約を締結するだけの判断能力があることが必要です。
 この判断能力については、本人の年齢や要介護度、関係者などの意見などを踏まえて個別具体的な判断にならざるを得ないと考えられます。そのため、認知症などで判断能力に疑いがある場合には、本人に上記の契約を締結するだけの判断能力があるかどうかを医師に診断してもらう必要があると考えます。

 その結果、判断能力が無い、と診断された場合には、本人の状態に応じて成年後見制度の利用を検討することが考えられます。
 

先日、母が亡くなったので遺品を整理していたら「遺言書」と書かれ、封がされた封筒が見つかりました。中身が気になるので、開けて確認しても大丈夫でしょうか?

 相続人が遺言(公正証書遺言を除く。)を発見した場合、速やかに家庭裁判所に提出し、検認を請求しなくてはいけないとされています(民法1004条1項)。
 また、封印がある遺言書は、裁判所以外では開封できないとされ、裁判所外で開封をしてしまった場合には、5万円以下の過料に処するとされています(民法1004条3項、同1005条)。
そのため、この場合には開けることなく、速やかに家庭裁判所に対して、検認の請求を行うべきです。

公正証書遺言を作成しようと思っていますが、証人が二人必要と聞きました。証人はどのような人が良いですか?また適当な人がいない場合、どうしたら良いですか?

 公正証書遺言を作成する際には、証人が2名以上立ち会う必要があり(民法969条1号参照)、未成年者や推定相続人・受遺者とこれらの配偶者・直系血族、そして公証人の配偶者や四親等以内の親族、書記及び使用人は証人になれません(民法974条参照)。
 ですので、公正証書遺言を作成する場合にご家族が証人になれない、というケースはよくあります。

 他方で、証人は公正証書遺言の内容を全て確認することから、信頼できる人を選ぶ必要があります。
 そのため、当事務所では公正証書遺言を作成する場合に、適当な証人がいない方には、弁護士らが証人として公正証書遺言作成に立ち会う、といったことも行っております。

私の母が亡くなりました。生前、遺言を作成したというような話をしていましたが、遺品を整理しても見当たりません。 遺言を探す方法などはあるのでしょうか?

 自筆証書遺言の場合、亡くなられた方がどこに保管していたか分からないと、探すのは困難です。金庫や金融機関の貸金庫に入れている方もいるようなので、思い当るところを探すほかないと思われます。

 他方で、公正証書遺言や秘密証書遺言であれば、昭和64年以降に作成している場合には、相続人であればどこの公証役場からでも検索をすることが可能です(それより前に作成した場合には、作成した公証役場であれば検索は可能とのことです)。
 その際に必要な書類や詳細は、近くの公証役場にお問い合わせください。

私には子どもが一人がいますが、長年連絡を取っておらず、絶縁状態が続いています。私が亡くなった場合には、この子どもが相続人になるのですが、私が亡くなった後は、私の財産はお世話になった方に渡したいと思っています。このような場合にはどうすればいいでしょうか?

 あなたが亡くなった場合には、お子さんが相続人のとなることから、原則としてお子さんが財産を全て相続することになります。
 そのため、あなたがお子さん以外に財産を渡したいのであれば、まずは自分の財産を渡したい人に財産を遺贈する旨の遺言を作成しておくことが考えられます

高齢になってきたことから、遺言を作っておこうと思います。ですが、長い文章は書く自信がないので、パソコンで文章を作って印刷し、そこに自分で署名・押印しようと思います。このようなものでも、法律が定める自筆証書遺言として有効でしょうか?

 自筆証書遺言はその全文、日付、氏名を自書し、これに印を押さなければならないとされているので(民法968条1項)、その要件を満たさない以上、自筆証書遺言としては無効になってしまいます。

 長い文章をご自身で書けない場合でも、公正証書遺言を作成することは可能ですので、そちらをお勧めします(なお、秘密証書遺言は全文を自筆で書く必要まではありませんが、その他民法が定める要件を満たす必要がありますので(民法970条)、ただ単にパソコンで印刷したものに署名・押印をするだけでは要件を満たしません)。

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